携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> ノンジャンル >> alone 42=雨が降っていた=

alone 42=雨が降っていた=

[348]  兼古 朝知  2010-04-09投稿


「そりゃあ悪夢のわりには気になる点が残る夢だなぁ…」

晶は後ろに反り、伸びをしながら言った。

「でしょ?あの子って、やっぱり…」

「水鶴は確かに小さい頃 髪はショートだったぜ」

「じゃああの夢は…!!」

夕が青ざめると、晶は慌てて訂正する。

「え、えっと、正夢にはならないと思うぜ!?ほ、ホラ、ガキの頃の水鶴が現れるわけないだろ!?」

「でも…もしかすると何かの暗示かも…」

「気にすんなって!!」

「…うん」

晶の言葉に頷きながらも、夕の頭の中は不安でいっぱいだった。

空は薄暗く、強い風が吹いていた。日の沈む西の空は、雨雲に覆われていた。

「ねぇ晶」

「んー?」

「明日は雨かもね」

「そうかもなー」

「晶」

「んー?」

「…ううん、何でもないよ」

「んだよ、変なの」

「いいじゃん、別に」

晶と夕は笑った。




そして、翌日。
水鶴との約束の日。

この日は、
雨が降っていた。

先が見えなくなるほど、
雨が、降っていた。

感想

感想はありません。

「 兼古 朝知 」の携帯小説

ノンジャンルの新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス