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忘れない幸せ 前編

[634]  萩原実衣  2010-04-13投稿
あなたにも忘れられない恋や愛があるでしょう。
苦しくて、忘れたいのに忘れられない…。

時間が経つのがこんなに早かったかなぁ?
と思うほど…
愛しく、このままずっと一緒にいられたらいいのに…。

私は、咲田 美里
  (さきた みり)
もう…33歳

最近、恋や愛なんて…。
ちょっぴり面倒臭かった。
あの人に逢うまでは…。

あの人『神崎大翔(かんざき ひろと)』
まだ…23歳

彼との出会いは、私には、衝撃的だった。
破天荒な感じと人を引き寄せる何とも魅力的なオーラがあった。

社会人一年目の彼と私は、誰がどうみても何もないと見える。

その通り!

私も、どこが諦めるクセがついている。

別にモテなかったわけでもない。
それなりに、恋人もいた。
フったし、フラれたし…。

顔には出さないようにしているが、実はちょっと気になっていた。

彼、神崎大翔とは、職場で知り合った訳ではない。知り合いのバーベキューパーティーで知り合った仲間。

それから、私たちの仲間は、定期的に呑むようになった。

いつからだろう…?
彼を好きになってしまったのは…。

彼は、私の気持ちなんてお構い無しで、呑みに誘う。

もちろん!心の中では、うれしい。

でも、それと同時に失ってしまう怖さが付きまとう。

だから…思う、こんな気持ち忘れられたら楽なのに…。

ある日また、誘われた。
何だか、彼の様子がいつもと違っていた。
仕事の悩み、そして…聞きたくなかった恋の話。
仕事の悩みには、先輩ずらして答えられる。
恋の話…。
私は、耐えられるだろうか…。

「好きな人ができたんだ。でも、相手はきっと、俺の事なんて何とも思ってないんだ。いつも、冷静に相手するんだ。俺が年下だからかなぁ?」

胸がわしづかみにされるほど痛かった。

(年上なんだ…)

「なんで?いつもの大翔なら…躊躇せずにあたって砕けろなんじゃないの?」
「俺…超マジなんだ!怖いんだ。

「大丈夫!フラれたらとことん酒に付き合うよ」
私の精一杯の強がりだった。

私、終わったな…。

「俺、直接聞くわ!」

そういうと彼は、携帯を持って外に出た。

しばらくして、携帯がなった。
「どうしたの?ダメだった?」
「いや?今から。俺、美里が好きなんだ。年下だけど…。ダメ?」

私は、頭の中が爆発しそうだった。

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