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alone 50=少年の最期=

[436]  兼古 朝知  2010-04-15投稿


(教祖…。我らが神の教祖…よ)

圭は、最後の力を振り絞って鎌を振るった。

(俺は お前を信仰したことは…ない)

皆神の兵は、情に流されそうになったが、負けるわけにもいかない。
各々の銃器を持ち、応戦する。

(ましてや お前に仕えた覚えも…ない…)

圭は、背に銃弾と 腹に矢を受けるが、怯まない。
右目の辺りを斬りつけられ、圭は片目だけになるが、それさえ気にしない。

(俺が仕えていたの…は)

後方から膝を撃ち抜かれ、とうとう圭は倒れ込んだ。
立ち上がる気力と体力は皆無に等しい。

「圭。最期に…言う事はねぇのか?」

晶が圭の前に立った。
圭は ゆっくりと視線を上げた。その目は一片の曇りも無かった。

(はじめから何も変わってなど…いない…)

「俺は水鶴様に仕えてい…る。…水鶴様以外の人間に残す言葉など…何も…無い…」

圭は微笑して言った。



(そう…だ。

俺は、俺は……

水鶴様の従者…だ。

中村理一…俺は…

お前の為に
とった行動など…

ひとつも ない…

水鶴様が無事なら俺は…

己の死などどうでもいい

どう でもいい ん だ…)


――バサッ!!!!



涙を流しながら
震える晶によって…。
圭の首が

斬り落とされた。



そして物語は今一度…
些か過去に戻る。


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