航宙機動部隊第四章・13
パレオス星邦首都星ティヴィタヴェキア―\r
星間諸侯太子党の総帥・フーバー=エンジェルミは放蕩と悦楽と嗜虐の日々を送っていた。
彼がこの異域の地で行った悪行は、とても数えられない程の多きに上った。
例えば路地でカップルを拉致し、男は性器を切断し、その目の前で女を散々強姦したと言う話。
ある時は豪勢な宴会を張り、やはり捕らえて来た少年少女達につがいを組ませ、めいめいセックスをさせて余興とした話。
或いは貧困層から買い上げた乳幼児を生きたまま捌いてその肉を仲間と共に味わったと言う話。
これ等は最も極端な事例で本当に事実なのかと首を傾げる研究者も少なくないが、逆にフーバー=エンジェルミ達の振る舞いが本当に筆舌に尽くしがたく、同時代の人々が辛うじて伝えられる範囲内に事実を矮小化したのではないかと推測する説もある。
だが、どの道彼こそが異常な嗜壁の為に子供達を浚い、反対者や糾弾者達の運動にはテロを以て報い、極め付けはオストレ=スタジアムを満杯にした観客達を核地雷で一万人以上虐殺した張本人である事に変わりはない。
そして、別段彼はそれを一々隠そう等とはしなかった。
寧ろ全てを報道に晒した―と言うより、確信犯としてメディアを利用・濫用すらしていたのだ。
彼は自ら番組を主宰した。
星民に恐怖と奴隷根性を植え付けてコントロールするには格好の手段だと分かっていたからだ。
その中でも彼のお気に入りだったのが、参加した一般庶民に現人神・フーバー=エンジェルミ様が直々にお裁きを下す《ファイナルジャッジ》。
彼が提示した二つの箱のどちらかを参加者に選ばせ、ハッピーエンドかバットエンドを有り難くも下賜すると言う内容であった。
当然、参加者に拒否権は無い。
そしてその結果はフーバー=エンジェルミの《気紛れ発動》によって幾らでも変える事が出来た。
言わば好きなだけ弾数をいじくれるロシアン=ルーレットだ。
この日フーバー=エンジェルミは箱を引いた参加者達に、ある者は百億クレジット公貨をプレゼントし、ある夫婦は王水への生入浴を命じ、ある少女には二人の富豪を撃ち殺してその全財産を与える《ゲーム》を課した。
そして最後の一人は当初ハッピーエンドの箱を引いた物の、(笑い方がムカついたから)と言う理由だけで公開リンチショーに変更、全身の皮を剥がれて絶命した。
星間諸侯太子党の総帥・フーバー=エンジェルミは放蕩と悦楽と嗜虐の日々を送っていた。
彼がこの異域の地で行った悪行は、とても数えられない程の多きに上った。
例えば路地でカップルを拉致し、男は性器を切断し、その目の前で女を散々強姦したと言う話。
ある時は豪勢な宴会を張り、やはり捕らえて来た少年少女達につがいを組ませ、めいめいセックスをさせて余興とした話。
或いは貧困層から買い上げた乳幼児を生きたまま捌いてその肉を仲間と共に味わったと言う話。
これ等は最も極端な事例で本当に事実なのかと首を傾げる研究者も少なくないが、逆にフーバー=エンジェルミ達の振る舞いが本当に筆舌に尽くしがたく、同時代の人々が辛うじて伝えられる範囲内に事実を矮小化したのではないかと推測する説もある。
だが、どの道彼こそが異常な嗜壁の為に子供達を浚い、反対者や糾弾者達の運動にはテロを以て報い、極め付けはオストレ=スタジアムを満杯にした観客達を核地雷で一万人以上虐殺した張本人である事に変わりはない。
そして、別段彼はそれを一々隠そう等とはしなかった。
寧ろ全てを報道に晒した―と言うより、確信犯としてメディアを利用・濫用すらしていたのだ。
彼は自ら番組を主宰した。
星民に恐怖と奴隷根性を植え付けてコントロールするには格好の手段だと分かっていたからだ。
その中でも彼のお気に入りだったのが、参加した一般庶民に現人神・フーバー=エンジェルミ様が直々にお裁きを下す《ファイナルジャッジ》。
彼が提示した二つの箱のどちらかを参加者に選ばせ、ハッピーエンドかバットエンドを有り難くも下賜すると言う内容であった。
当然、参加者に拒否権は無い。
そしてその結果はフーバー=エンジェルミの《気紛れ発動》によって幾らでも変える事が出来た。
言わば好きなだけ弾数をいじくれるロシアン=ルーレットだ。
この日フーバー=エンジェルミは箱を引いた参加者達に、ある者は百億クレジット公貨をプレゼントし、ある夫婦は王水への生入浴を命じ、ある少女には二人の富豪を撃ち殺してその全財産を与える《ゲーム》を課した。
そして最後の一人は当初ハッピーエンドの箱を引いた物の、(笑い方がムカついたから)と言う理由だけで公開リンチショーに変更、全身の皮を剥がれて絶命した。
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