携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 公募投稿作品 >> 恋、おおき一年間

恋、おおき一年間

[742]  烏稼啄  2010-04-23投稿
「はぁ〜 はぁ〜 何で、こんな事にぃ…!?」

私、ゆうかは逃げている。何からって? そんなの分からないわ。 ただ単に「何か」からなの。でも必死に逃げて逃げ続ける。

「何で!? 携帯が繋がらないの?」

みしっ みしっ みしっ だんだん「何か」が近づいてくるのが、はっきりとわかる。

「助けを求めようにも、こんな時間で… しかも場所も場所だし… 携帯も…」
もう足跡が、すぐ近くまで来てるのがわかる。

「いやっ 来ないで! 」
(怖い… 私が、いったい何したっていうのよ。)

路地の隅で、さんかく座りをしながら怯えている。
「おいっ こんな所で、な〜に してんだよっ!」

「ふぇっ!?」

声をかけたのはアイト、ゆうかの一応、兄である。
「お兄ちゃんっ! 何で、こんな… とっ所に!」

かなり驚いたのか、呂律〔ろれつ〕がまわってなかった。

「そういうお前こそ何で、こんな時間にいるんだよ? 早く家に帰るぞ」

「うっ……うん………」

「どうした? まだ何か用でもあるのか?」

「別に、そういうんじゃないんだけど… 腰が抜けっちゃってさ」

兄のアイトは、めんどくさそうに ゆうかの所までに行き後ろに向きしゃがみ込んだ。

「ったく ほらよっ!」
「えっ!?」

「立てないんだろ? だから ほらっ」

「うっうん」

「よっこらせっと」

兄は、ゆうかをおんぶして家に帰る。

(んっ 心なしか、こいつ熱くないか?)

(お兄ちゃんに、おんぶなんて何年ぶりだろ? やっぱり重いとか思われてるのかな? おんぶされてるって思ったら何だか心臓がバクバクしちゃう)

「おいっ 大丈夫か? 体、熱いぞ」

「だっ大丈夫!」

「ならいいけど 無理すんなよ」

「……」

その後、まったく話がなく何事もなく家に着く筈だったのだが…

感想

感想はありません。

「 烏稼啄 」の携帯小説

公募投稿作品の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス