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alone 67=教祖の処刑を=

[375]  兼古 朝知  2010-04-25投稿


「…なるほど。それで、その子を皆神に入れろと言ってるんだね?晶君」

「…お願いしますッ、教祖様…!!」

困った顔の皆神宗教祖に、晶は深く頭を下げていた。
水鶴が皆神側につくことの了承を得に来たのだ。
水鶴は陣の外で待機している。

「困ったな…。晶君が言うのだから信用は出来るのだが…」

「周りの目…ですか?」

「そう。水鶴ちゃんも、まだ子供だけど…皆神の兵の殆どは彼女に殺されてるからね。恨みを持つ人がいないハズがない」

「でもッ…!!」

晶が顔を上げたときだった。

「ならば彼女に、自神宗教祖の処刑をさせれば良いのではないでしょうか…?」

教祖の少し後ろに控えていた、長髪の兵が言う。

「それは あまりにも酷じゃないか?」

教祖の言葉に、兵は首を横に振る。

「いいえ。
私が話を聞く限り、いくら父親と言えど中村理一を殺せるかと…。
むしろ それくらいしないと、我々皆神宗信者は彼女を受け入れられないと思われます」

教祖は暫し悩み、晶の方を向いて問うた。

「…晶君、水鶴ちゃんに出来るかどうか確認してきてくれないか?」

「…!! はいッ」

晶はパッと立ち上がり、陣の外で待つ水鶴のもとへ走っていった。

その後ろ姿を見送りながら、教祖は呟いた。

「晶君も つらかろうに。
父母を亡くし、
兄を亡くし…。
やっと取り戻した旧友でさえ、今 繋がりを絶たれようとしているのだから…」

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