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いつもの場所で42

[494]  YOSI  2010-04-27投稿
文子とのデートを翌日に控えた哲彦は、義人と剛夫の2人と久しぶりの食事をしていた。
目的は、9月の旅行の件である。
3人のいつもの集合場所である、ファミレスで。
「いいのかよ?明日デートなんだろ?俺と剛は、明日たまたま休みだけど」
「大丈夫だよ。明日、朝早いけどね…
お前らの都合上、集まれる時に話しとかないとな。もう2ヵ月弱だし、決められる時に決めとかないとな」
「そりゃあな…」
義人と哲彦は、しばらくの会話のあと、剛夫の方に顔を向けて、ほぼ同時に質問した。
「で、9月はどうなのよ?」
「どうって?」
「行けるか行けないかってことに決まってんじゃん!」
「ああ…申請は出してるから、多分大丈夫だよ」
「多分?灰色だなぁ…心配になってきたよ」
「まあこればっかりはね…もともと人手の少ない職場だしね」
「それは、そうだけどな。揃いも揃って、いい独身トリオなんだからよ!情けないけど、そうゆうときゃ、楽しまなきゃ損だぜ!何にも広がらないぜ」
「そりゃあまあ、そうだけどね…」
「俺は、あの日以来…お前らと会ってる時も、女性との友達以上の展開を、避けてきたけど、今じゃ、距離の問題もあるけど、出会いもあったしさ…きっかけをくれた義には、感謝してんだぜ」
「まあ、その後の展開は、哲ちゃんの方が早いけどね。でも旅行に行く方向性が、一つは固まったかなと…」
「まあ、そっちの方は、おいおいな。 ただ、見たいところもあるし…」
「見たいところ?どこだよ」
「ゴルフ場とか、競馬場とか…」
「何だよそりゃあ…」
「俺の場合は、そっちの方がメインかなあ」
「当然、夜の方は、付き合ってくれんだろうなあ」
「体調が良ければな」
剛夫の消極的な態度は、今に始まったことではないが、哲彦と義人には、不満が残った。
「とにかく、なんとか都合つけてくれよ!こんなことで、モヤモヤしたくないからよ」と、哲彦は剛夫に念を押した。
「わかったよ」
義人は、なんとかまとまったことで、ホッとした。
(まあ…いいか。これで、剛にいい出会いがあればいいし…それで、俺以上になっても、それは、それで嬉しいし…俺は、自分が駄目でもこいつらが良ければいいし…所詮、俺はただのお人好しだからな…)
だが、かすみの思いを、知る由もなかった…

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