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航宙機動部隊第四章・46

[1038]  まっかつ改  2010-05-24投稿
そして同年第一期一六日(修正太陽暦一月一六日)・パレオス星系外縁―\r
そこには合衆国連合艦隊主力集団が勢揃いしていた。
その内訳は純戦闘艦艇一五七00隻・要員二二0八九00名。
旗艦は戦艦《サルタン=バヤズィット?》・指揮に当たるのは戦事総司令官ロバート=ハートフォード大将と正式に定められた。
既に同軍先鋒隊・バクーシン集団が決戦予定宙域たるアリ=アリアンスを押さえており、その戦力一五00隻と合流すれば、艦隊は更に一七二00隻にまで膨れ上がる予定だ。
その他に新編パレオス防衛軍一三00隻を率いるK=シャフラン少将がこの星系の留守を預かる事となっており、更に残る一五00隻から成る混成部隊が万が一に備えて、エントレンス175までの航路保持の為に小集団に分かれて哨戒等に当っている。
全ての準備を終えた白磁色の軍艦達は、その側面に青地に加盟国と同じ数に当たる四0五もの星々を渦巻き状に配した合衆国旗を浮かび上がらせ、それぞれの所属会社毎に陣形を組んでいる。
そして、その後方では総旗艦《D=カーネギー》やパレオス防衛軍含む約三万隻もの残存組が、一斉に緑色の信号灯を輝かせ、彼等の勝利と武運を祈った。
全体回線を通じて、連合艦隊の壮行曲・宙征かば《そらゆかば》が奏でられる。
いよいよ出陣の時が来たのだ。

同日午前一時三0分―\r
『閣下、時間です』
旗艦《サルタン=バヤズィット?》戦闘艦橋にて、連合艦隊参謀長・ヘンリー=アレクサンダー中将が、自席から指揮座を振り向いてそう告げた。
艦橋内では、否、全ての艦艇内で、将兵達は残らず起立しながら宙往かばを聞いている筈だ。
その例に漏れず、司令官も参謀達も直立不動の姿勢をかれこれ一時間近く保っていた。
ロバート=ハートフォードは軽く頷いて、
『全艦に通達―摩擦反応炉《フリクション=リアクター》点火開始、微速前進、一時間半後に光速航行へ移行する』
戦事総司令官の下知を受けて、出撃組の艦艇達全てが一斉に宙を滑り出す。
白く輝く艦列の群れはぐんぐん速度を上げながら、やがて漆黒の闇の中へと溶け込んで行った。

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