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L A M c Q が、ココロに 突き刺した ナニカ

[485]  晩餐者  2010-05-30投稿
始まれば、終わる。
光れば、いつか消える。
でも、自ら幕を引かないで欲しかった。
僕はその光が消えてから
初めて、
その光に永遠を求めた。

LEE ALEXANDER McQUEEN。
ファッション界不世出の
天才。
英国の異端児にして革命児。
彼を表現する、様々な
形容詞たち。
でもそれ以前に、
彼は純粋無垢で繊細な、
ただの一人の人間だった。
皆、彼に哀悼の意を述べ、口々に賞賛する。

僕は彼を知らない。
会った事も話した事も、
彼のブランドを着た事もない。

でも、見た事はある。
亡くなる直前のコレクションは、

自然破壊が進み、人間は
地上を逃れ水棲生物に
逆進化する

というテーマだった。
テーラリングとか、
モダニズムとか先鋭さとか難しい事はわからない。
ドラマチックで、
ただ、揺さぶられた。
ナニカが震えた。
まるで、自分だけが
見つけた名曲を聞いた
時のように。
それこそ、彼の才能\r
なんだろう。

あるデザイナーは言う。

『自殺というと、みんな理由を知りたがる、
詮索したがるが、
地位や名誉だけでは
人間は生きていけない
という事だ』

素直に頷けた。
でも、疑問は残る。

では、何で人は生き続けていけるのか?

やはり、愛とか希望とか
生温いものが、
人を繋ぎとめるのだろうか。




でも。
今のこの感情も思いも、
いつか忘れていく。
人である限り、忘れていく。
それが切なくて、悔しくて、何か痕を残したくて。

The Backhornの『枝』を聞きながら、携帯電話の
キーを押す。

会った事も話した事も
ない、TVや雑誌の
向こう側の人間が
感じさせてくれた事を。

ALEXANDER McQUEENへ。

さようなら。


そして、ありがとう。











見た皆さんへ。

読んでくれて、
ありがとう。

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