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君と見た空*2の1

[506]  玲唯  2010-06-15投稿
02.記憶


 翌日の帰り道、いつものように土手を通る。


 私はアオトの姿を探したけれど、どこにもアオトの姿はなかった。


 何かちょっとがっかり。


 私はため息をついて土手を降りて公園に行って、ベンチに座った。


 いや、何してんの私。


 これじゃまるでアオトを待ってるみたいじゃない。


 二股じゃないよ、これは。


 二股って使う意味違う?


 まあいいや。


 アオトは―――昨日会ったばっかりだけど―――友達。


 同じものが好きで、同じ漢字が入ってる名前友達。


 うん、そう。


「よっ!」

「うわっ!」


 背後から肩を叩かれ、私はびっくりして声を上げた。


 そして振り返ると、そこにはアオトの姿があった。


 アオトはあまりの私の驚きように、同じように驚いたような顔をした。


 でもすぐににっこり笑って私の横に座った。


「よかった。また会えた」


「え?」


 それってどーゆう意味だろ。


 だめだめ、考えちゃだめ。


 私には結城くんがいるんだから。


「今日も晴れてるね」

「あ、うん。そーだね。でも明日は曇りだって」

「そっか……」


 アオトはそう呟くと、ガッカリしたような顔をした。


 言わない方がよかったかな。


 それからしばらくの間、沈黙が流れた。


 そんな中、沈黙を破ったのはアオトの方だった。


「ねえ」

「ん?」


 アオトは何か言うのをためらっているようだった。


 私はアオトが話し出すのをじっと待った。


「……俺のこと、覚えてる?」


 何を言ってるんだろう、と思った。


「覚えてるって……昨日会ったし」

「そーいう意味じゃなくて。俺たち、昔に会ってない?」


 私の覚えている一番古い記憶は、小学4年生から。


 そこから記憶を辿ってみたけど、アオトと会った記憶は昨日からしかない。


 それより前に会ったのかもしれないけど、全く思い出せなかった。


「ごめん、会ってないと思う」

「だよね。俺の勘違いか」


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