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君と見た空*2の2

[497]  玲唯  2010-06-20投稿


「ちょっとユウカ、びっくりさせないでよ!」


 振り向かなくても、声だけでユウカだということが分かった。


 ユウカは笑いながら、ごめんごめんと謝る。


「あ、もしかして昨日の人?」


 ユウカはアオトの方を見て言った。


 私が頷くと、ユウカはアオトの隣に座る。


「初めまして。リクの友達のユウカです!」

「俺はアオト。よろしく」


 いつもより、ユウカの声が高い気がする。


 アオトは柔らかい笑みを浮かべながら、自己紹介をした。


「アオトって珍しい名前だね! あ、何歳? 高校生? 家、この近くなの?」


 ユウカの質問はまだまだ出てくる。


 その質問攻めに、アオトは完璧に困惑している。


 私、いない方がいいかな。


 でも、アオト困ってるし……。


 ああ、もう!


「ほら、ユウカ。帰ろ」

「えー! もっと話したい!」


 ユウカは子どものように駄々をこねる。


 でも私は、そんなのお構いなしでユウカの腕を掴んで無理やり立たせた。


「じゃあね」

「ちょっと、りくってば! あ、またね、アオトくん!」


 ユウカが手を振ると、アオトは小さく手を振り返していた。


 アオトの姿が見えないくらいまで歩いたところで、私はユウカの腕を放した。


「アオトくん、かっこいいなあ。彼女いるのかな」

「さあ、聞いたことないや」


 完璧に狙ってる。


 別に私には関係ないけど。


 私には結城くんがいるんだから。


 アオトはただの友達。


「リク、今度聞いといてよー」

「何で私が?! 自分で聞きなよ」

「だって、それ聞いたら気があることバレるじゃん」


 大丈夫だよ。
 それはもう、バレてるから。


 あんな質問攻めを食らって、気づかない人はいないと思う。


「お願い!」


 そう言って、ユウカは顔の前で手を合わす。


 別にいいか。聞くくらい。


 聞いてあげる代わりに、後で何か奢ってもらおう。


 そう思って、私は承諾の返事をした。


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