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欲望という名のゲーム?6

[378]  矢口 沙緒  2010-06-23投稿



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鹿島に従って屋敷に入った五人は、中の様子に思わず目を見張った。
奥行きの深い、広く天井の高いホール。
その天井から下がった巨大なシャンデリア。
右側の壁には大小様々の絵画と角の大きな鹿の頭部の剥製。
その向かいの壁には西洋の甲冑が飾られている。
全体に落ち着いたアイボリーで統一されている豪華な空間。
床は一辺がニメートル以上もあるかと思われる正方形の大理石が、白黒交互に市松模様になっている。
前方正面にはニ階に上がるための、幅がゆうに五メートルはあろうかと思われる階段が、突き当たりまで続いている。
その階段は突き当たりの踊り場の所から左右に分かれ、上へと続いている。
左右に分かれた階段は、それぞれニ階の廊下に接続している。
つまりこのホールの天井はニ階分の高さがあり、ニ階の左右の廊下は、がっしりとした欄干は付いているが、ホールにその幅だけ飛び出している格好となっている。
屋敷の入り口から入り、階段を正面に見て、右と左にニ階の廊下はあるのだ。
そのニ階の廊下ぞいにドアが並んでいるのが見える。
とにかく日本の建築様式とは基本的に大きく違っていた。
その不思議な雰囲気と豪華さに、五人は戸惑っていた。
「どうぞ、遠慮なく中へ」
鹿島がさりげなく言う。
五人はキョロキョロとしながら、順に中へと入ってきた。
シャンデリアを見ては驚嘆し、鹿の剥製を見ては驚き、目に写る全ての物が珍しかった。
そして、ここに飾られてある品々は、本物だけが持つ香りを漂わせていた。
見せるために飾られたのではなく、楽しむために飾られてあるのだ。
鹿島はホールの中央まで歩いて振り向いた。
鹿島に続いて屋敷の中に入った五人は、彼と向かい合う形となった。
「この屋敷は、あなた達のお兄さんでいらっしゃる雷音寺雅則様が、生前お住みになっていたものです」
鹿島が、おもむろに説明を始めた。

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