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生き別れ 1話

[436]  shoya  2010-06-26投稿


2003年 春の4月23日
新城真子(21)は、重たそうなボストンバッグを抱え八戸駅に着いた。


ここからはJR大湊線に乗り換え、小柳駅に向かう。


真子は電車に乗り込むと青森のパンフレットを見る。

「変わったなぁ青森も」
当時、真子が18才の時はコンビニもお店も数える程しかなかった。
しかし、2003年

今では八戸もおろか、弘前、いたるところが都会と化している


パンフレットに夢中になっていると電車は発車する


電車の中には、野菜を抱えたお婆さんや
子供連れの家族、



東京とはどこか違った青森の風景が懐かしく思えた。


電車が走って早30分


野辺地に到着すると、いかにも危なそうな不良を先頭にゾロゾロと電車に乗り込む



真子はまだなにも知らない。
これからなにが始まるかなど



不良の様子はおかしい


席がたくさん空いているのになぜか座らない。

まるで道をふさぐ様に立っている


電車は清水川を過ぎ

小湊へ向かう


7分後、

電車が小湊へ止まる。


すると突然、二両目に乗っていた乗客が移動しはじめる。

ドアが開くと、


そこには
鼻に細い布を巻いた、ボンタンをはいた金髪の不良が一人で乗り込んだ。



この地元高校といえば、
青森でも有名な不良高
「東鳳第一高校」

である。東鳳は昔から不良が集まる高校で、他校とはよくモメる


電車は地獄絵図に変わる


「達也ぁ。いい加減決着つけようや」

東鳳の男は静かに笑う

「決着。もうついただろうが」

と笑いながら、狂ったように笑う

「な、てめぇ」

「調子こいでんじゃねーよ!!」
と後ろから したっぱであろうか

東鳳の男の胸ぐらをつかむ

すると一瞬の出来事だった。

頭を掴み、座席のポールに打ち付けられた


「ウァァ、ァァ」

胸ぐらみ掴んだ男から大量の血が流れる

「て、てめぇ」


不良のトップの怒りをかったようだ、


「やっちまえや!!」


と電車に響き渡る。



東鳳の男は 俊敏な動きで受け身をとる。

電車は浅虫に到着する

真子はなにも言えなかった。
口を開けたまま閉まることはなかった



あっという間だった。
5分、いやもっと短かっただろう


東鳳の顔には返り血が少しついていた。
しかし、電車の床にはたくさんの学生が倒れていた

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