テキパキクッキング
日曜の午後だった。
特にすることもないので、俺はテレビを見ることにした。
今日「ええとも」つまらなそうなんだよなー…
何か…面白いの…ん?
「サルでも分かる、男のテキパキクッキング。今日から始まりましたこの番組、司会を務めます私、田畑真平でございます。」
なんだ…?
番組名からして料理番組には間違いなさそうだ。画面には2人の男が映っている。一人は今自己紹介した田畑という司会らしき男。
ワイシャツに青いエプロン。なぜかきっちり七三分け。
料理番組っていうよりニュースの司会っぽい。
そしてその隣には…
田「では料理を教えてくれる先生をご紹介しましょう。味覚研究家、味賀恋三先生です。」
あじが…こいぞう?
なんだそりゃ?…しかも料理番組で何でちゃんちゃんこ着てんだ?
名前といい服装といい…悪ふざけか…?
味「どうも。味賀恋三です。好きなゴキブリは、チャバネゴキブリです。」
俺は思わずお茶を吹き出した。
田「あの、味賀先生…一応料理番組ですので、そういったお話は…」
味「ああ。失礼いたしました。」
味「でもね…こないだいたんですよ。台所に…もうゴキブリのあの生命力たるやね…」
田「では、本日のお料理はなんでしょうか。」
味「ああ…そうでしたね。ところで山田さん」
田「田畑です。」
味「失礼。田畑さん、おふくろの味、といえば何でしょうか?」
田「そうですねぇ…私の場合は…昔からよく作ってくれた、味噌汁ですかね。」
味「なるほど。私はね…カレーなんですよ。」
田「カレー、ですか。」
味「ええ。カレーと言ってもそんなに辛くない、いわゆる甘口なんですがね。大きく切ったじゃがいもがごろごろって入っててね…そりゃあもう美味しかったですよ。」
田「いいですねー」
確かに並んだ食材はじゃがいもに人参、玉葱など…カレーの具材だった。
味「うちの母はね、ルーから手作りなんですよ。」
田「それはすごいですねー。本格的だ。」
味「いつでも好きなときに食べれるようにってね…銀の袋に入れてしまっておいてくれるんですよ。食べるときはそれをお湯で茹でましてね…」
田「あの…味賀先生」
味「何でしょう?」
田「それ、恐らくレトルトですね…」
大丈夫か、この番組…
続く
特にすることもないので、俺はテレビを見ることにした。
今日「ええとも」つまらなそうなんだよなー…
何か…面白いの…ん?
「サルでも分かる、男のテキパキクッキング。今日から始まりましたこの番組、司会を務めます私、田畑真平でございます。」
なんだ…?
番組名からして料理番組には間違いなさそうだ。画面には2人の男が映っている。一人は今自己紹介した田畑という司会らしき男。
ワイシャツに青いエプロン。なぜかきっちり七三分け。
料理番組っていうよりニュースの司会っぽい。
そしてその隣には…
田「では料理を教えてくれる先生をご紹介しましょう。味覚研究家、味賀恋三先生です。」
あじが…こいぞう?
なんだそりゃ?…しかも料理番組で何でちゃんちゃんこ着てんだ?
名前といい服装といい…悪ふざけか…?
味「どうも。味賀恋三です。好きなゴキブリは、チャバネゴキブリです。」
俺は思わずお茶を吹き出した。
田「あの、味賀先生…一応料理番組ですので、そういったお話は…」
味「ああ。失礼いたしました。」
味「でもね…こないだいたんですよ。台所に…もうゴキブリのあの生命力たるやね…」
田「では、本日のお料理はなんでしょうか。」
味「ああ…そうでしたね。ところで山田さん」
田「田畑です。」
味「失礼。田畑さん、おふくろの味、といえば何でしょうか?」
田「そうですねぇ…私の場合は…昔からよく作ってくれた、味噌汁ですかね。」
味「なるほど。私はね…カレーなんですよ。」
田「カレー、ですか。」
味「ええ。カレーと言ってもそんなに辛くない、いわゆる甘口なんですがね。大きく切ったじゃがいもがごろごろって入っててね…そりゃあもう美味しかったですよ。」
田「いいですねー」
確かに並んだ食材はじゃがいもに人参、玉葱など…カレーの具材だった。
味「うちの母はね、ルーから手作りなんですよ。」
田「それはすごいですねー。本格的だ。」
味「いつでも好きなときに食べれるようにってね…銀の袋に入れてしまっておいてくれるんですよ。食べるときはそれをお湯で茹でましてね…」
田「あの…味賀先生」
味「何でしょう?」
田「それ、恐らくレトルトですね…」
大丈夫か、この番組…
続く
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