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テキパキクッキング 3

[580]  デフレーター  2010-06-28投稿
CM明け、味賀先生はちゃんちゃんこを脱いでいた。
当然だろうな。
味「では、5時間煮込んだものがこちらです。」
田「うわ…これ、何ですか?」
煮込みすぎてぐちゃぐちゃになった肉じゃが…というか得体のしれない何か。玉葱は原形を留めていない。
味「これから味付けに移ります。」
田「嫌な予感しかしないんですが…」
味「そんなことはありません。肉のエキスが十分野菜に染み込んだはずです。」
田「それ以前に肉が見当たらないですけどね。」
味「まずは醤油。」
ドボドボ…
おいおい…どんだけ入れるんだよ…
味「続いて砂糖、みりん、酒、カレー粉」
田「ちょっと待ってください。」
味「何ですか?岡崎さん」
田「田畑ですって。もう何も合ってないし…なぜに、カレー粉を?」
味「隠し味ですね。」
田「それにしては…随分量が多いような…」
味「全て目分量ですからね。」
…は?
田「先生…調味料はちゃんと計ってから…」
味「あーほらほら、火力弱めてくださいよ。」
田「は…はい。」
何だこいつ…料理したことあるのか?
味「蓋をして10分、味を染み込ませます。」
田「出来上がりが楽しみ…ですね。」
味「ええ。ワクワクしますねー。」
あんたの笑顔はどっから来るんだ…
味「初めての料理ですから。」
田「えー!?」
俺も田畑と一緒に叫んでしまった。
味「私は味覚研究家ですよ?料理が得意とは限らないでしょう?」
田「何『してやったり』みたいな顔してるんですか!先生、料理経験はないんですか?」
味「ええ。正確には幼いころ母に仕込まれて材料の下ごしらえだけは出来るんですがねぇ。へっへっへ」
田「…もうおしまいだ。」
味「はい?」
田「何でもありません。…では、鍋の方見てみましょうか。」
味「美味しそうな匂いがぷんぷんしますねー…」
田「あなたは味覚もそうですが嗅覚もどうにかしたほうがいいですね。」
鍋の蓋が開けられる。
その中にはとても食べられるとは思えない悪臭を放っている焦げ茶色の塊が存在を誇示していた。
田「先生、これは…」
味「肉じゃがです。」
田「うそつけ。」


番組は、この回をもって打ち切られた。



おしまい

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