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GO AWAY#54

[349]  速見  2010-07-02投稿
京都の話では、今日も優は大学には午後からしか行かないというので予定さえなければアパートにいるはずだ。


しかし、昨日もこの家に来たので何か不思議な感じがした。雪野は今まで女の子とは程遠い行動をさせられて女の子の認識を忘れさせられているが彼女はれっきとした女の子………心のどこかでまた風呂に入らせてもらえたらと心の中で期待していたが、まず家の中に入れるかどうかが問題だった。通報はされないと思うが、警察が張り込んでいる可能性はなくもない。


優のアパートの周りを警戒してみたが警察が張り込んでいる気配はなかったので二人は安心してドアをノックした。


無言だったノックに疑問を思った優はのぞき穴からドアの前を見ると京都と雪野が立っていたので外に警察が張り込んでいないのか確かめてから二人を招き入れた。


「なっ!?なんでまたここに来た!」


当然ながら優は二人に怒鳴りつけたが京都が事件の資料を優に見せると優は眼の色を変えて怒鳴るのをやめた。


被害者が全員警察官という事もそうだが、被害者が六年前の事件に関わっている事実を知ると雪野を追い返すかのように


「青山、お前昨日から風呂に入っていないだろう?またうちの風呂場を使うといい」


と、いって雪野をリビングから追い返した。

優の意図はさておき雪野は心の奥で願っていた事を優から言ってもらって喜んで風呂場に向かった。


しかし、喜ぶと同時に雪野は心のどこかで自分(部外者)は二人の元を離れないといけないと思ったのだ。


雪野が風呂場に向かうと京都と優は昨日よりも真剣な顔つきで机で互いの顔を見ていた。

しかし、しばらくすると優の方が顔に手を当てて困った表情をした。


「はぁ〜お前にこの話(六年前の事件)をする気はなかったんだよ。お前が青山を助けたりしなければこの事件に再び垣間見ることはなかっただろう。お前は六年前の事件を聞いた時絶対に泣き叫んだだろう?」


優の問いに、京都は笑いながら肯定した。確かに京都は六年前の事件の文字を見ただけで全身波打つくらい震えあがった。


そして雪野が眠ってしまった後も一晩中すすり泣いて裾を濡らしていた。雪野が起きないように最小限に鳴き声を押さえて………。

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