帰ってくれ 2
「何急にきてんだよ…」
「別にいーじゃん。暇だったからお兄ちゃんと遊んであげよっかなーって思っただけ。」
麻友美はさっさと部屋にあがった。
「俺そんな暇じゃないんだけど。」
「えー!どっか行くの?」
「いや彼女来るんだよ。」
亮平は綾香にまだ麻友美を紹介していない。
もしこの状況で綾香が来たら…
今日は麻友美にこのまま居座られては都合が悪いのだ。
麻友美はじっと亮平を見つめ、口を開いた。
「暇じゃん。」
こいつバカか…
亮平は溜息をつくと立ち上がった。
「とにかく。せっかく来てくれて悪いけど、今日はもう帰ってくれ。」
「えー!最悪!お兄ちゃんの彼女来るんでしょ?」
「そう。まだ彼女に麻友美のこと話してないしさ…」
「じゃあ今日紹介してよ、麻友美のこと。」
「いや、仮に話したとしてもさ…」
「何?なんか問題ある?」
麻友美は首をかしげた。
「絶対誤解されるだろ。」
「誤解?なんの?」
もう説明するのも面倒だ。
「少し考えりゃ分かること。今日はとにかく帰ってくれ。頼む。」
亮平は手を合わせた。
「ふぅーん…そっかぁ…」
麻友美は急に落ち込みはじめた。
「お兄ちゃん、彼女に麻友美のこと紹介してくれないんだ…お兄ちゃんの彼女だからきっと可愛いんだろうし…仲良くなりたかったのになぁ…」
麻友美は下を向いて落ち込んだ。
「お兄ちゃん…そういう人だったんだ…超がっかり…」
またはじまった…
亮平は頭を左右に振った。
都合が悪くなるとすぐに落ち込むフリをする。
時々、嘘泣き。
子供の頃から何度も使ってきた麻友美の奥の手。
表情まで真に迫っているが、これも演技だ。
その証拠に
「分かった。今日ちゃんと紹介してやるよ。」
「へへー。そうこなくっちゃ!」
麻友美はあっという間に立ち直った。
こいつを扱うのも楽じゃないな…
亮平は苦笑いを浮かべた。
「ただし…揉め事は起こすなよ。」
「りょーかーい!」
麻友美はとびきりの笑顔で敬礼してみせる。
亮平にはもう嫌な予感しかしなかった。
(隼人…どうやったら瑠奈ちゃんみたいな妹に育つんだ…教えてくれ…)
続く
「別にいーじゃん。暇だったからお兄ちゃんと遊んであげよっかなーって思っただけ。」
麻友美はさっさと部屋にあがった。
「俺そんな暇じゃないんだけど。」
「えー!どっか行くの?」
「いや彼女来るんだよ。」
亮平は綾香にまだ麻友美を紹介していない。
もしこの状況で綾香が来たら…
今日は麻友美にこのまま居座られては都合が悪いのだ。
麻友美はじっと亮平を見つめ、口を開いた。
「暇じゃん。」
こいつバカか…
亮平は溜息をつくと立ち上がった。
「とにかく。せっかく来てくれて悪いけど、今日はもう帰ってくれ。」
「えー!最悪!お兄ちゃんの彼女来るんでしょ?」
「そう。まだ彼女に麻友美のこと話してないしさ…」
「じゃあ今日紹介してよ、麻友美のこと。」
「いや、仮に話したとしてもさ…」
「何?なんか問題ある?」
麻友美は首をかしげた。
「絶対誤解されるだろ。」
「誤解?なんの?」
もう説明するのも面倒だ。
「少し考えりゃ分かること。今日はとにかく帰ってくれ。頼む。」
亮平は手を合わせた。
「ふぅーん…そっかぁ…」
麻友美は急に落ち込みはじめた。
「お兄ちゃん、彼女に麻友美のこと紹介してくれないんだ…お兄ちゃんの彼女だからきっと可愛いんだろうし…仲良くなりたかったのになぁ…」
麻友美は下を向いて落ち込んだ。
「お兄ちゃん…そういう人だったんだ…超がっかり…」
またはじまった…
亮平は頭を左右に振った。
都合が悪くなるとすぐに落ち込むフリをする。
時々、嘘泣き。
子供の頃から何度も使ってきた麻友美の奥の手。
表情まで真に迫っているが、これも演技だ。
その証拠に
「分かった。今日ちゃんと紹介してやるよ。」
「へへー。そうこなくっちゃ!」
麻友美はあっという間に立ち直った。
こいつを扱うのも楽じゃないな…
亮平は苦笑いを浮かべた。
「ただし…揉め事は起こすなよ。」
「りょーかーい!」
麻友美はとびきりの笑顔で敬礼してみせる。
亮平にはもう嫌な予感しかしなかった。
(隼人…どうやったら瑠奈ちゃんみたいな妹に育つんだ…教えてくれ…)
続く
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