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君と見た空*3の1

[494]  玲唯  2010-07-03投稿
03.アルバム


 私の住むアパートには、エレベーターがない。


 でも私の部屋は3階にあるから、上るのはそんなに苦じゃない。


 鍵を開けて中に入る。


 そしてベットに横になった。


 私の部屋は1LDKで、家具は必要最低限しかないシンプルな部屋。


仰向けになって、今日の図書当番の事が頭に浮かんだ。


 今考えてみると、凄い事だよね。


 あんなに結城くんと喋っちゃった。


 そういえば右手……ダメだ。


 ニヤケ再来。


 何か変態っぽいかも。 うーん。


 その時、外から物凄い雨音が聞こえた。


 窓から外を見ようとしたけど、窓に大量に雨が打ちつけていて、外が見えなかった。


「雨、やだな……」


 アオトも同じように思ってるのかな。


 そして、あの暗い表情をしているのかな。


 アオトは笑顔が凄く似合うのに。


───俺の事、覚えてる?


 もう1度、記憶を巡らせる。


 でも思い出せなかった。


 そういえば、小中学校のアルバムあるじゃん。


 それを見れば、1発で分かるよね。




 アルバム、どこにしまったっけ?


 クローゼットの戸を開けて、ダンボールを引っ張り出す。


 この中にはない。


 私はもう1つの方を開けてみた。


「あった! 懐かしいなあ」


 アルバムなんて貰った時くらいしか見ないから、見るのは本当に懐かしい。


 まず中学校のアルバムから見ることにした。


「んー。いないなあ」


 ということは、小学校の時に会ったって事?


 小学校のアルバムをめくっていく。


「あれ……」


 いない。


 もう1度最初に戻って、端から端まで見ていく。


 でもいない。


 中学校の方も、もう1度見たけどいない。


 じゃあ、幼稚園の時?


 でもそこまでの写真は持ってない。


 お母さんに聞いてみようかな。


 いや、止めよう。


 理由聞かれても、上手く言えない気がする。


 それか、本当にアオトの勘違いなのかも。


 とりあえず、この事はいいや。


 アルバムを片付けて、テレビをつけてみる。


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