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欲望という名のゲーム?50

[406]  矢口 沙緒  2010-07-11投稿



麻雀牌は大きく四種類に分ける事が出来る。
まず漢数字の一から九の下に『萬』という字がついた物。
これは『マンズ』あるいは『ワンズ』と呼ぶ。
次に丸い模様が一つから九つまで描かれている物。
これを『ピンズ』と言う。
そして同じく、棒状の模様が二本から九本描かれている物。
これを『ソウズ』と呼ぶ。
ただし、この『ソウズ』の一は、棒状の模様ではなく、例外的に鳥の絵柄になっている。
この鳥は中国の霊鳥で、鳳凰である。
最後に字牌と呼ばれる、字の彫ってある牌。『東、南、西、北、白、發、中』
と一字づつ彫ってある。
ただ『白』は字が彫ってあるわけではなくて、何も彫っていないツルツルの状態の牌だ。
牌は素晴らしかったが、肝心の手掛かりは何もない。
彼はそれを仕舞い、次のセットを開けた。
これもまた牌が裏返しにしまってある。
明彦は次々と開けていった。
そして一番下にあった最後のひとつを開けた時、彼は歓喜の声を上げそうになった。
その牌のセットだけは、全部が裏返しになっていず、何枚かの牌が表になっていて、三列に並んでいる。


東 南 一萬

八萬 八萬 四萬 中

一ソウ


この『一ソウ』はソウズの『一』で、鳥の絵柄の牌である。
この七枚の牌だけが表になっている。
これは暗号だ!
明彦は直感した。
ほかの牌のセットが、全て裏返しだったのに対し、これだけが何か意識的に表になっている。
もしこれを暗号とするなら、そして宝のありかを指しているとするなら、最初の『東』『南』はズバリ方角を示しているのではないか?
つまり、東南の方角だ。
しかし、その先がいけなかった。
皆目見当がつかないのだ。
だが投げ出す訳にはいかない。
この暗号の延長線の先に、きっと二百八十億円があると、彼は信じたからだ。
明彦はどっかりと腰を落とし、あぐらをかいた。
長期戦の構えだ。
そしてもう一度全体を見る。


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