携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> ミステリ >> 記憶の中の記憶6

記憶の中の記憶6

[376]  いおり  2010-07-15投稿
一日目
彼女は今にも
殴りそうな勢いで怒った。
「はい!iPodは没収。も一回荷物の点検!!
今度こんな事したらここには
置いておけないから良く考えなさい」それから
子供をあやすように静かに言った。「もう、しないって約束
してね」泣きながら私は首を縦に振った。
瞬間はぐしてくれた。長い間
抱きしめてくれた。母のように
二日目
朝6時頃目が覚めた。採決と、検尿と、心電図
が待っていた
又入院したんだ。何回目?何十かいめ?
夫からのメールが入っていた。
ゆっくり眠れたか?午前中行くよ。まってまーす。
この病院は今時
珍しく、各病棟に、喫煙室がある。もちろん
ドアと大きな
換気扇つきだ。
煙草もすいたいが、ここの換気扇は特に苦手だ
何故ならゴーと
換気扇の音にまじって、犬と子供の声が聞こえる。ごーウオンわんわんねぇねぇ・・・
実にうるさい
だから我が家も
換気扇はNG!
気付いたら
車椅子に乗っていた。
あれ?又たおれた?そのまま
ベッドに転がされ、母なる森永
さんが「しばらく、煙草も駄目
一人て外にでるのも駄目!
解りましたか?」そお言われても30分もすれば
吸いたくなる
彼女がいないか
確認!今だ!すぐさま喫煙室に
滑り込む。
他のナースに見付かり、連れ戻された。
ガックリ
何というチーム
ぷれー
面白くないテレビを見ていると
夫が来てくれた
手には烏龍茶とカットスイカ。
気分はどう?
どしたのオデコ?
えっ?オデコにはドデカイ絆創膏がのっていた
全く気づかなかった。
さっき、喫煙室
で倒れたみたい。夫はさほど
びっくりはせず
他に痛い所はないの?
うん!別にないよ。
気を付けろよ
冷たいうちにスイカ食べれば
夕方近くになって、夫は帰っていった。
明日も来るから。ありがとう?
ごめんね。
5〜6時間はいただろうか。
疲れるだろうな
今までも、そうだった。夫は入院のたびに、毎日見舞いにくる
それを日課に
しているように
雨にも負けず
風にも負けず。
有り難いと思う
疲れるだろうし
仕事もあるのに
彼の時間を私
一人で吸い取ってるようで
心から申し訳ないなと思う。
どでかい絆創膏を、取ったら
これまた、どでかいタンコブが
出来ていた。
ぶーぶーぶーバイブにしてた
携帯が震えていた
続く

感想

感想はありません。

「 いおり 」の携帯小説

ミステリの新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス