代償 11
恵梨は潤んだ目を見開いた。
「てめーは美味しいネタ見つけるとすぐ食いついて周りを煽るよな。」
「そんなこと…」
「じゃあてめーが俺にしたことは何なの?」
篤史は少しも遠慮せずに言葉を連ねた。
「状況の判断もろくに出来ねーくせに周り煽っていい気になってんじゃねーぞ。」
恵梨はまた泣き出してしまった。
「篤史…言い過ぎじゃないか…」
杉本がたしなめる。
「は?俺はあんたらにやられてきたことやり返してるだけですけど?」
篤史は杉本と生徒達を睨んだ。
「弱虫のあんたらは一人だけ意見が食い違う俺をターゲットにして「いじられキャラ」とか言ってバカにしてたんだよな。」
杉本達は頭が真っ白になった。
確かに篤史は「いじられキャラ」ではあったが、篤史はそれを喜んで受け入れていたように思っていた。
「バカにしてたわけじゃ…」
「そうだよ。篤史は人気者だったんだよ?」
「どこまでも都合いいな。あんたら。」
篤史は呆れ果てたように言った。
「そっちの勝手な解釈だろうが。あんたらは一人だけ周りと違ってた俺をバカにして、まとまってるクラスのイメージ守るためだけにいじられキャラに仕立て上げて、俺達は仲良しクラスだって取り繕ってただけだろ?」
「違う!」
「何がちげーの?言ってみ?」
「そんなの篤史の勘違いだよ!私達はそんなこと全く考えてないよ!」
恵梨は真っすぐ篤史の目を見て訴えた。
「じゃあなんで俺なの?クソギャル。別にお前がいじられキャラでもよかったんじゃねーの?」
「それは…」
「あれか。クラスに一人はそういうのが必要。だったら皆と意見が違う変わり者の俺がなればいい。そういう学校あるあるもどきか。」
「いい加減にしろよ…篤史…」
一晃が拳を震わせる。
「あ?何だよかっこつけ。」
「さっきから聞いてりゃすき放題言いやがって…俺達は確かに篤史を傷つけたし、それは怒って当然だよ。でもな、お前がさっきから言ってることは、俺達がお前に言ったこと以上に酷いことだよ…」
「は?お前自分達のしたこと棚に上げて何言っちゃってんの?そんなにクラスが大事か?」
一晃の言葉も篤史には通用しなかった。
「俺が言ってることが酷いかどうか。それは俺が決めることだ。」
そう言うと、篤史は俯いている清香に視線を移した。
続く
「てめーは美味しいネタ見つけるとすぐ食いついて周りを煽るよな。」
「そんなこと…」
「じゃあてめーが俺にしたことは何なの?」
篤史は少しも遠慮せずに言葉を連ねた。
「状況の判断もろくに出来ねーくせに周り煽っていい気になってんじゃねーぞ。」
恵梨はまた泣き出してしまった。
「篤史…言い過ぎじゃないか…」
杉本がたしなめる。
「は?俺はあんたらにやられてきたことやり返してるだけですけど?」
篤史は杉本と生徒達を睨んだ。
「弱虫のあんたらは一人だけ意見が食い違う俺をターゲットにして「いじられキャラ」とか言ってバカにしてたんだよな。」
杉本達は頭が真っ白になった。
確かに篤史は「いじられキャラ」ではあったが、篤史はそれを喜んで受け入れていたように思っていた。
「バカにしてたわけじゃ…」
「そうだよ。篤史は人気者だったんだよ?」
「どこまでも都合いいな。あんたら。」
篤史は呆れ果てたように言った。
「そっちの勝手な解釈だろうが。あんたらは一人だけ周りと違ってた俺をバカにして、まとまってるクラスのイメージ守るためだけにいじられキャラに仕立て上げて、俺達は仲良しクラスだって取り繕ってただけだろ?」
「違う!」
「何がちげーの?言ってみ?」
「そんなの篤史の勘違いだよ!私達はそんなこと全く考えてないよ!」
恵梨は真っすぐ篤史の目を見て訴えた。
「じゃあなんで俺なの?クソギャル。別にお前がいじられキャラでもよかったんじゃねーの?」
「それは…」
「あれか。クラスに一人はそういうのが必要。だったら皆と意見が違う変わり者の俺がなればいい。そういう学校あるあるもどきか。」
「いい加減にしろよ…篤史…」
一晃が拳を震わせる。
「あ?何だよかっこつけ。」
「さっきから聞いてりゃすき放題言いやがって…俺達は確かに篤史を傷つけたし、それは怒って当然だよ。でもな、お前がさっきから言ってることは、俺達がお前に言ったこと以上に酷いことだよ…」
「は?お前自分達のしたこと棚に上げて何言っちゃってんの?そんなにクラスが大事か?」
一晃の言葉も篤史には通用しなかった。
「俺が言ってることが酷いかどうか。それは俺が決めることだ。」
そう言うと、篤史は俯いている清香に視線を移した。
続く
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