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クリスタルクラッシュ6―?

[363]  いっと  2010-07-21投稿
彼女は大きな声を出して、ザックを睨みつけた。
「ご、ごめんなさい!」
ザックは顔を真っ青にして俯きながら、謝罪した。
「…死んだわ」
メディナは首を横に振って大きく息を吐くと、小さな声で呟いた。
「え…?」
「三人共にもうこの世にはいないわ。…これ以上は聞かないで」
「あ…ご、ごめんなさい!嫌な事を聞いてしまって…」
「いいのよ。知ってて聞いた訳ではないのだから」
彼女は力無く笑うと、
「明日も訓練が待っているわ。早く休んで体力を回復させなさい」
と、言って、ゆっくりとその場から立ち去っていった。
「しまったなあ…」
ザックは小さく息を吐いて、肩を落とした。
ダリルとエナンは眉間にしわを寄せながら、小さく唸った。
―誰かに殺された…?
姉を殺されたリリアを間近で見てきた彼らにとって、メディナの様子は明らかにその色合いが濃いと思わざるを得ないものだった。
そして、その殺した者の名前も同時に思い浮かんだ。
だが、彼らは殺されたのかもしれないという予想や殺した者の名前も口にはしなかった。
―時が来れば、彼女は話してくれるだろう。それを待てばいいだけの話しだ。
そう解釈して、彼らは僅かに首を捻った。
一陣の風が木々を撫でて、こぼれ落ちた葉が三人を静かに包み込んだ。

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