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桃華

[516]  ごはんライス  2010-07-29投稿
「桃華あ。焼き鳥があるよ」
「わあ。いい匂い。食べてこうよ」
「うん!」
二人は焼き鳥屋台の前まで走る。
「おっお兄ちゃん!」
「もっ桃華!」
なんと焼き鳥を焼いていたのは、五年前家出した兄、パイ太郎であった。
とそのとき。
どおおおおおおおん。
向こうで爆発音。自爆テロだ。
「見に行かなくちゃ!」
パイ太郎は屋台を放って走り出した。
桃華と美代子もあとを追った。
「はあはあはあ」
「いた!」
美代子が転んだ。
「美代子ちゃん、大丈夫??」
「痛いよう。うわあああん。うわあああん」
美代子がものすごい声で泣くので桃華は困ってしまう。
「どうしよう。どうしよう」
とそのときだ。
向こうから誰か飛んでくる。マントをしてる。
正義の味方に違いない!
「病院に連れていってくれるかも」
その男は二人の前に着地した。
すると、倒れる美代子の腹を蹴り始めた。
「うははは。うははははは」
「やめてよう。やめてよう」
「わははは。わははははは」
「やめてよう。やめてよう」
夕暮れである。カラスがかあかあ鳴いている。

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