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リレー小説「王国の掟」第六話〜麻呂〜

[476]  麻呂  2010-08-01投稿

王様の、その真剣な表情とまなざしは、サラにとって、ある事を決意させるほど、熱く、情熱的な物でした。


「私は今から、王様に真実を話す事にします。いえ…いずれは話さなくても分かる時が来るのだけれど…。」


カーテンの隙間から朝日が差し込み、サラのブロンドヘアーが、一層美しく照らし出されています。

ベッドの上に座るサラの隣に王様は、静かに腰を下ろしました。


「その真実って言うのは何?!」


王様の言葉を受け、サラは、静かにゆっくりと話し始めました。


「王様のお父上は、300年に渡って栄えた、ギルド帝国のラドルド国王と言う方です。

彼は独裁者で、その暴君ぶりは、とどまる所を知らず、どんどんエスカレートしてゆきました。

辛い拷問を強いられた人々の中には、あまりの辛さに、自ら命を絶つ者も数多くいたそうです。

そんなラドルド国王を、神は決して許しませんでした。

ラドルド一族を滅亡させるとおっしゃったのです。

神は、まず始めに、ラドルド国王をチリに変え、川に流してしまいました。

次に王妃と、生まれたばかりの赤ん坊をと考えたのですが、その時、神は思いとどまりました。

いえ、神には出来なかったのです。

なぜなら――

神にもまた、生まれたばかりの赤ん坊がいたからです。

神は赤ん坊の母親に言いました。

《お前達の命を助けてやる。

その代わり、お前達2人は、生物のいない孤島に住み、

お前は、この赤ん坊の母親としてではなく、乳母として接しなさい。

そして、どんな事があっても、この赤ん坊の母親だと名乗る事は許さぬ。

そして、赤ん坊が15歳になった時、

お前は赤ん坊のもとから離れ去るのだ。
それが、お前への命令だ。

赤ん坊は、お前と離れた後、1人でこの孤島で生き、新たなる国を造るのだ。

それが、赤ん坊への命令だ。》

と――」


サラの話を聞く王様の表情は、どんどん険しさを増してゆきました。


「その母親が、つい2週間前まで、僕を育ててくれた、お付きの乳母のクルエラで、赤ん坊が僕――
そして、神の子供と言うのは――」


王様とサラの間に緊張した空気が流れ、王様の額には、微かに汗さえ見えます。

「私よ。そして、たくさんの人達は、神の国から呼んだのよ。王様の力になってくれると思うわ。」

感想

  • 39515: 素晴らしい(感動)プレッシャーっす…さんちゃん [2011-01-16]
  • 39521: さんちゃんありがとうございます?私はリレー小説書き始めてから [2011-01-16]
  • 39522: 常にプレッシャーですよ〜?麻呂 [2011-01-16]
  • 39534: なんとか(笑)七話投稿!明後日新着かなっさんちゃん [2011-01-16]
  • 39536: 読ませて頂きました?麻呂 [2011-01-16]

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