携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 恋愛 >> 君と見た空*5の1

君と見た空*5の1

[475]  玲唯  2010-08-10投稿


05.言いつけ


 土曜に結城君とデート!


 いや、違う。付き合ってないし。


 でも嬉しいなあ。早く来ないかな、土曜日。


 今日は金曜日。明日じゃん!


 どうしよう、着ていく服とか。


 でもその前に風邪が……。

 「角田さん、まだ熱あるのかしら……。顔赤いわよ?」

 「体温計はさんでて」

 「はい」


 渡された体温計をはさんで、結城君からもらった缶ジュースを眺める。

 何かもったいなくて飲めないなあ。なんて考えながらニヤケる。


 しばらくすると体温計が鳴った。


 見てみると37℃5ぶだった。


 大丈夫かな、明日。


 「鳴った?」

 「あ、はい」

 「37℃5ぶかあ……。角田さんって1人暮らし?」

 「はい」

 「うーん。じゃ、今日早退しようか。私送っていくから」

 「いいんですか?」

 「いーのいーの。さっ、準備して」


 何か申し訳ないなあ。

 そう思いながら、私は帰りの準備をするため教室に向かった。


 *


 「送ってもらうなんて、すいません」

 「いいのいいの。また倒れられたら嫌だし。さ、乗って乗って!」

 「はい。……お願いします」


 私が車に乗り込むと、先生は戸を閉めてくれた。


 そして先生も運転席に乗って、エンジンをかけて出発した。


 「ねえ、角田さん。結城くんとはどういう関係なの?」


 先生は楽しそうな口調で聞いてきた。


 私はその質問にブッと吹き出してしまった。


 「ど、どーゆーって……。別に何でもないですよ!」

 「本当?」

 「ほんとです!」

 「ふーん……」


 何だろう。この先生の反応。


 何でもないことは事実。


 友だちって言えるような関係じゃない。


 ただ委員会が一緒なだけ。


 何でもない、何でもない。


 それなのに、何で私を誘ったんだろう。


 これってまさかのまさか……なんてね。


 車はあの土手に入った。


 そしてしばらく行くと、少し先の土手を降りたところに誰か座っている姿が見えた。

感想

感想はありません。

「 玲唯 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス