携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 恋愛 >> 君と見た空*5の2

君と見た空*5の2

[438]  玲唯  2010-08-13投稿


 間違いない。あれはアオトだ。


 顔を見なくてもわかる。


 するとアオトは、私の声が聞こえたかのようなタイミングでこっちを見た。


 その瞬間、私とアオトの目が合う。


 アオトは悲しげに微笑んだ。


 車はアオトとすれ違い遠さがる。


 私は急いで体を後ろによじった。


 でもアオトの姿はどこにも見当たらなかった。


 風邪で幻覚でも見たのかな。


 「どうしたの?」

 「あ、いや……。別に」


 そう言うと、私はもとの体制に戻った。


 うん、そーだよ。幻覚幻覚。


 そう言い聞かせる。


 そして明日のことを頭の中で巡らせた。


 *


 「今日はちゃんと食べて早く寝ること! いい?」


 先生は運転席の窓を開けて言った。


 私はその言葉に頷いて返す。


 「あ。明日、楽しんできてね」

 「え、話聞いてたんですか?!」

 「ええ。私、耳いいのよ? じゃ、月曜はちゃんと学校きなさいね」


 先生は笑いながら窓を閉める。


 そして手を振ってゆっくり車を発進させた。


 私は先生の車が見えなくなるまでその場に立っていた。


 ああ。話聞いてたんだ、先生。


 だからあんなこと聞いてきたのかな。


 まあいいや。明日の準備しなきゃ!


 私はアパートの階段を駆け上がった。


 途中、よろめいたけどすぐに持ち直してまた駆け上がる。


 明日どこに行くんだろう。何来て行こうかな。


 そんなことを考えながら階段を上る。


 明日が楽しみで楽しみでしょうがなかった。


 先生の言いつけは守れなかった。


感想

感想はありません。

「 玲唯 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス