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白と包帯

[564]  となりのトトりん  2010-08-19投稿
 白と包帯

逃げてはいけないと理解した時から
幾度 逃げてきたのでしょう

負けてはいけないと理解した時から
幾度 負けてきたのでしょう

その度に悲しく俯く怯えた空が
罅割(ひびわ)れる私に
何度 潤いをくれたのでしょうか


全てが嘘ならば
私は楽になれるのに…

仄暗い隙間に隠されるようにある真実は
微細な燦(かがや)きを放ち訴えるのです


逃げてはいけないと理解した時から
あれから幾度 
逃げてきたのでしょう

負けてはいけないと理解した時から
あれから幾度 
負けてきたのでしょう


見つけにくい鉱石のような燦きは
夜が来れば
地表へと浮かび

朝が来れば
仄暗い隙間に逃げ始めるのです

幾度 逃げても
怯えぬように

私はまた傷だらけの心に
白と包帯を巻いて
奮い立たせ立ち向かうのです

幾度 負けても
折れぬように

私はまた傷だらけの心に
数え切れぬ涙と涙を抱いて
恋し続けるのです

たった一つの鉱石となれるように
切に恋焦がれるのです

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