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君と見た空*6の2

[399]  玲唯  2010-08-24投稿


手伝った方がいいよね。


「私手伝う───」

「光! 私も行く!」


リエちゃんは私の言葉を遮って、結城くんと一緒に部屋を出た。


私は深いため息をついた。


リエちゃんと結城って、どーいう関係なんだろ。


付き合ってるのかな。


リエちゃん可愛いし、結城くんと付き合っててもおかしくない。


もしそーだったらやだなあ。


「リクちゃん、何歌う?」


後部座席の男の子、シュンくんが選曲本を差し出す。


私はそれを受け取ってページをめくってみるけど、何を歌えばいいか分からない。


私は困惑した表情を浮かべた。


「ゆっくり選べばいいよ」

「う、うん。ありがと」

シュンくんはニコニコしながらこっちを見てる。


「シュンに気に入られた感じかなあ」

「そーなのか?」

「鈍いなあ、アキラは」


運転手の年上そうな男の人、アキラさんはタバコを吸いながら驚いたような顔をした。


「だってリクちゃん、可愛いじゃん」

「え、いやいや」


するとシュンくんは私の隣に座って、私の肩に腕をまわした。


私は少し横にずれて離れようとしたけど、また間を詰められる。


「彼氏いないんだっけ?」

「あ……う、うん」

「じゃあさ、俺と付き合おうよ」


シュンくんの声が耳元で聞こえた。


そして私の手を握る。


シュンくんはさらに詰め寄ってくる。


「ご、ごめん!」


私は鞄を持って部屋から飛び出した。


そして廊下を走って階段の所で止まる。


───『俺と付き合おうよ』


シュンくんの言葉が蘇ってきて、私は強く首を横に振った。


私は結城くんが好きなんだ。


シュンくんはいい人っぽいけど、どこか怖いところがある。


よく分からないけど。


あの部屋にいる皆そんな感じがする。


どうしよう。戻った方がいいかな。


帰ったら悪いよね。


「リエ、1人で持てる?」

「大丈夫大丈夫」


部屋に帰ろうと足を踏み出したとき、下から結城くんてリエちゃんの声が聞こえた。


2人が階段を上がってくる音が聞こえる。


私は反射的に近くにあったトイレに隠れた。


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