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リレー小説「王国の掟」最終話?〜麻呂〜

[558]  麻呂  2010-08-25投稿

「あ〜っっ。王様が泣いてる!!」


「誰だ?!王様を泣かしたのは!!」


「さぞ辛い航海だったのじゃろ?!」


王国の住人は皆、王様の無事の帰国を喜び、


また、周囲を飛び交う喜びの言葉は、


王様にとって、


この1年間の航海の間に皆からの信頼を失わずにいた事を安心させ、


とても嬉しい1日の終わりを示す事となったのでした。



明くる日――



サラは、王様と共に、以前より豊さが増した緑の森に架けたハンモックの上に座り、


王様の航海の、厳しくも楽しいお話を聞いていました。


「私ね、自分の使命を達成する事は、一生出来なくてもいいかなって思う。」


「何それ?!じゃあ僕は、一生この王国の王様として、未熟者だって事?!」


「そうじゃなくて………。」


「サラは、タケルの事が好きなんだよね?!」


「好きよ。1人の人間として。

彼はとても立派な方です。」



リスにフクロウ、綺麗な小鳥達――



王様が連れて来た動物達が、2人の事を優しく見守るかの様に、じっと見つめています。



「ねぇ王様。

前に私が話したお話には続きがあるの。」



「へぇ。どんな?!」



「神は言いました。
王様が20歳になった時、

お付きの乳母が母親と名乗る事を許しましょうと――」



「じゃあ、僕の母さんは、今もどこかに元気でいるんだね!!」



「えぇそうよ。もしかしたら、すぐそばで王様の事、見守ってくれてるかもね。」



心地よい風が、優しくハンモックのブランコに降り注ぎます。



「ねぇサラ。」


「なぁに?!王様。」





――ボクハズットキミトイッショニイタイ――





素敵な王国を築く事が出来た王様は、これからもずっと、


王国の住人の皆に信頼され続ける事でしょう。



もしかしたら、



神様が2人の恋のキューピッド役になってくれたのかも知れませんね。





☆END☆

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