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旅の記憶(天井 2 )

[338]  ヒロ  2010-09-04投稿
一般病棟に移ったブルであるが、ベッドの上から身動きが出来ず、天井を眺める日々が続いていたある日…
女性、「失礼します…」と申し訳なさそうな声がした
ブルは目だけを声のする方へ向け、顔を見るが、知らない顔である
女性、「あの…河東と申しまして、事故の時にこの子が跳びだして…」
ブル、「ん?あぁ、あの時の」
河東、「はい、それで…」と、いいかけるとブルが、「大丈夫だったのか?ケガは?後ろから車だもんなぁ。この間、その運転手が来て散々謝っていったよ」と、天井を見て言う
河東、「そうですかぁ…おかげ様でこの子と無事ケガも無く」
ブル、「そうか…」
河東、「ほら、カズミ!お礼を言いなさい」と、子供がベッドの横に歩いて来て背伸びしてブルの顔を覗き込み「おじさん、助けてくれてありがとう」と、多分、母と練習したのだろう言い方で言われた
ブルは笑顔で点滴の付いた右手をカズミの頭に乗せて「いや、良かった。ケガとか無くて。もう跳びだしたりすんなよ」
カズミ、「うん。もうしません」
河東、「本当申し訳ございませんでした。これ、つまらない物ですけど…」と、テレビの所にお見舞を置き
河東、「それでは…」と二人は病棟を出て行った

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