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風に向かって凛と立つ

[427]  アイ  2010-09-05投稿
風に向かって凛と立つ誰かになりたくて

痛みを痛みのまま

痛いとも思わずに運べたらいいと

白い顔をした少女は

やわらかな頬を桜色に染めて笑った

孤独を恐れるのは決して恥ずかしいことじゃなくて

誰かを想っているなら

誰か想われない人がいるのは当然で

その矛盾に涙がにじむ

できれば想われる方がいい

それも至極当然のこと

だけど世界は主人公で溢れてるから

成り行き上

誰かが不幸にならなければいけなくて

誰かが死ななければならなくて

それが自分じゃなきゃいいと祈る日々

悲しみは色んなところからわきあがって世界を覆い隠す

そのベールから抜け出したくて

みんなみんなもがいてる

孤独の中

必死に手を取り合って

血の温もりに安堵する

だからまた

歩いて行く気になれるんだろう

孤独を克服したいけど

風に向かって凛と立つ誰かになりたいけど

一人の孤独は重い氷のように個人を潰してしまうから

やっぱり仲間は必要で

友達は必要で

家族は必要で

喜びが十じゃなくてもいい

ただ生きるために

精一杯自分を証明するために

誰もがそうやって生きている

すべての人が主人公なこの世界で

誰もが本当は風に向かって凛と立って生きている

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