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君と見た空*7の2

[426]  玲唯  2010-09-08投稿


アオトは私の目をじっと見つめている。そして


「リク、俺じゃダメかな?」


突然の告白に、私は驚くばかりで言葉が出なかった。


アオトは視線をそらさずに私の返事をじっとまっている。


何か言わなきゃと思ったけど、なんて言ったらいいかが浮かばない。


私は少し困ったような顔をして下を向いた。


「ア、アオト……私───」

「ごめん、やっぱり忘れて」

「え?」


アオトの言葉に、私は顔をあげる。


アオトは悲しげな顔をして薄く笑っていた。


「困らせるようなこと言ってごめん」

そう言うと、ベッドから立ち上がって玄関の方へ歩いていく。


するとその時、窓に大粒の雨が当たり始めた。


私は一瞬だけ窓の方をみて、すぐに玄関の方へと目を移す。


でもそこにはアオトの姿はなかった。


───『いやだよ、あんな奴』

───『リク、俺じゃダメかな』


頭の中はグチャグチャだった。


結城くんとエリちゃんの関係、結城くんの言葉、アオトの告白。


もうどうすればいいか分からない。


私はそのままベッドに倒れて、片腕で両目を覆った。


窓に打ちつける雨は、さらに激しさを増していった。





携帯の着信音が部屋に響き渡る。


私はベッドから起き上がって鞄の中から携帯を取り出した。


着信相手はユウカ。


通話ボタンを押して耳にあてる。


「リクー、今日どーだった? まさかまさかの展開になっちゃった感じ?」

「……」

「……何かあった?」


黙り続ける私に、ユウカは静かに問う。


私はあったことを全て話した。


ユウカがアオトの事好きだって知ってたけど、アオトとのことまで話した。


でもユウカは黙って聞いてくれていた。


「ごめんね。応援してくれてたのに。ユウカ、アオトのこと好きなのに……」

「何で謝ってんの? 私最初から分かってたんだからね?」

「え?」

「アオトくんがリクのこと好きって。でも私挽回を信じてたけど、今の話聞いて諦めついたよ」

「ユウカ……」

「ちゃんと返事してあげなよ?」

「うん、ありがと」


電話を切って、またベッドに倒れ込む。


返事、ちゃんとしよう。忘れてッていわれたけど。


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