がんばったで賞 53 〜アキの壮絶ないじめの過去。〜
「でも、大変だよな。アキちゃんは音とか全く分からずに生活しているんだから…。」
ユウタの言葉が2人に染み渡る。
するとサユが、アキの過去について話しだした。
「アキは、耳が聞こえないことで、小さい頃からずっといじめられてたの。喋っても、喋る発音の仕方が分からないから、変な音で喋って、またいじめられるようになって…。」
サユは次に小学生の頃のアキの様子を話しだした。
「小学生の頃、音楽の合奏の時間があって、アキはリコーダーを担当してた。でも、音のリズムが取れなくって、少しずつ皆からズレていくの。私はアキの隣に座っていたから、何度もズレてるよって言ったんだけど、アキはもう投げやりになってて、泣きながらリコーダーを1人で吹いてたの。」
「自分は何で耳が聞こえないんだろう…って、責めてた?」
カズヒロはサユに聞いた。「たぶん責めてたんだと思う。私はそんなアキを見ていられなかった。」
…あの時のアキ…。
「アキさん!もう一度最初から合わせるからね!」
先生に言われても、乱暴に吹き続けるアキに、周囲がざわめいた。
そのざわめきの中から急に、
「あいつ、耳が聞こえないからズレるんだよ!」
と叫ぶ男子が現れはじめた。
「耳なしお化けだ〜!」
とも叫ぶ男子まで。
すると、ほとんどの人が耳なしお化けと言って罵ってきた。
サユはアキの耳をおさえた。
それでもアキは、反論することなく、泣きながらリコーダーを吹き続けていた。
ユウタの言葉が2人に染み渡る。
するとサユが、アキの過去について話しだした。
「アキは、耳が聞こえないことで、小さい頃からずっといじめられてたの。喋っても、喋る発音の仕方が分からないから、変な音で喋って、またいじめられるようになって…。」
サユは次に小学生の頃のアキの様子を話しだした。
「小学生の頃、音楽の合奏の時間があって、アキはリコーダーを担当してた。でも、音のリズムが取れなくって、少しずつ皆からズレていくの。私はアキの隣に座っていたから、何度もズレてるよって言ったんだけど、アキはもう投げやりになってて、泣きながらリコーダーを1人で吹いてたの。」
「自分は何で耳が聞こえないんだろう…って、責めてた?」
カズヒロはサユに聞いた。「たぶん責めてたんだと思う。私はそんなアキを見ていられなかった。」
…あの時のアキ…。
「アキさん!もう一度最初から合わせるからね!」
先生に言われても、乱暴に吹き続けるアキに、周囲がざわめいた。
そのざわめきの中から急に、
「あいつ、耳が聞こえないからズレるんだよ!」
と叫ぶ男子が現れはじめた。
「耳なしお化けだ〜!」
とも叫ぶ男子まで。
すると、ほとんどの人が耳なしお化けと言って罵ってきた。
サユはアキの耳をおさえた。
それでもアキは、反論することなく、泣きながらリコーダーを吹き続けていた。
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