−−空に4
『どう? らくちん?』
イヤホンマイク越しに聞こえるクロエの声。僕の答えはもちろん、
「ああ……。らくだよ」
『フフッ……。ソラってたしか、憧れてたもんねー。この機体に。ナチュラル系統の最新作、『スカイ』にさ〜』
僕は小さく唸った。
クロエが操縦する『スカイ』は高く高く飛ぶ。
「基地は見えるか?」
『今見えた』
僕は外を見た。
広い草原の上に寂しくビルのようなものが建っている。その隣には大きな倉庫もあった。
「なぁ、クロエ……。帰ったらアフタヌーンティーでもどうだ?」
『え、いいの!?』
「ああ……」
『ヤッター!!』
何がそこまで嬉しいのだろう? しかし、その答えを考える暇なく僕たちは基地に着いた。
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