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「まほろば」僕の居るべき場所 3

[286]  星 恒介  2010-09-29投稿
本日は平成22年2月22日、ロス弁と、ロスの飲み物(フルーツミックス)でお腹いっぱいになった僕は、宇宙遊泳をするかのように、井上陽水と斉藤由貴のコラボした「夢の中へ」を聴いているかのように、ただひたすら爆睡!
気がついた時には、あたりは真っ暗になっていた。
「チヨットコイ、チヨットコイ」との、コジュウケの鳴き声だご山々にコダマし、空には満天の星と弧絃の月、柄にもなくノスタルジックになった僕は、「散歩でもするか」と、独り言を呟いて、川辺の道へと歩き出した。漆黒の闇をたたえる山々と、少女の涙に女神が微笑みで照らし出したかのような星明かり。都会には無い、正に田舎の「ご馳走」である そんなことをぼんやりと考えながら歩いていると、スーッと光の帯を引くような物が見えた。かすかではあるが、もの浅い青白い光。まさか、人魂? まさかね!? 携帯を見るとPM21時42分。丑三つ時にはまだ早い!
恐る恐る近づいてみると、そこには銀色の変わった形の腕時計が落ちていた。
デジタル部分が2つ。 アナログとデジタルを併せ持っている時計は見たことがあったので別段不思議とも思わなかった。「動くとやろか?」そう言って、僕は時計をポケットにしまいこみ、家の方へ今来た道を引き返した。これが、全ての始まりとも知らずに!
部屋に戻ると僕は、さっき拾った時計をポケットから取りだし、「動きよるみたいやな」と呟いて、早速、時刻を合わせることにした。
変わったことに、この逆三角形をした腕時計は、年度を表す数字まである。「意外と高級品?」などと思いながら、「平成22年2月22日、エーッと、22時22分…と、ア、間違った!」と言った瞬間、僕は、歪んだ空間と歪んだ時間との間に投げ出されてしまったのだ。
頭の中を無数の電子が流れ行き、目の前が白く、また白く、またまた白くなって行くのを感じた。
そして僕は、長い長い時間を眠り続けたような感覚を覚えたのだった。

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