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ネット恋愛な女

[748]  ピロリ  2010-10-02投稿
「私が幸せなら子供も幸せなんだもん。だからG太君と別れる気無いから。だいたいいっつもお説教臭くてお姉ちゃんの事、正直苦手…」
I花は口を尖んがらせてみせた。
「あんた本当にむかつくね。私は当たり前の事言ってるのよ!G太君に会うために私に子供預けたり夜中出歩いたりもっと母親として自覚を持ちなさいよ!」
H実は机を叩いた。
「なっ…何よ〜」
H実の激しい怒りにI花はたじろいだ。
「だいたいG太君は既婚者でしょ!あんたのせいで相手の家庭も崩壊しかけてるのになんとも思わないの!?あんたの子供と同じくらいの歳の子供もいるんだよ!変な出会い系なんかにはまってこれで何回目よ!!」
H実に問い詰められI花は逆ギレを始めた。
「なによ!シングルだから出会いが無いって言ったら出会い系でもすれば?って言ったのはお姉ちゃんでしょ?G太君はいつもの人達と違うんだもん!もうほっといてよ!」
I花はぷいっと顔を背けた。
「そう、わかったわ。好きにしたら?あんたに良い出会いが無いのはシングルだからじゃないわ。その身勝手な醜い心のせいでしょ。子供二度と預からないから連れてこないでね。バイバイ」
H実は席を立ちI花の前から消えた。
「何よ何よ何よ。私は悪くない。私だって幸せになる権利あるんだから。G太君に奥さんと子供がいるからいけないのよ…G太君は私のよ…」
I花は虚ろな目でブツブツ呟いた。

I花と会わなくなったある日、G太が殺害されたとニュースで流れた。
不安に駆られI花の携帯にかけたがつながらない。
H実は慌てて支度をしI花の元へ行こうとした。
その時、ドンドンとドアを叩く音がする。

戸を開けると子供を連れたI花が震えながら立っていた。

「何があったの?」
震えるI花の肩をさすりながらH実が尋ねた。
「…嫁や子供が昨日はいないの知ってて驚かせようと彼のアパートに子供と行ったの。彼、違う女連れ込んでて…女は慌てて出て行ったけど彼は悪びれもしなくて」
「それで殺したの?」
「ちがっ…私じゃ…」
I花は首を振った。
「じゃあ誰が…」

「僕だよ」
I花の子供がぽつっと答えた。
「お母さん泣いてたから。お母さん虐める奴をやっつけたんだ。お母さん嬉しいでしょ?幸せでしょ?」
子供は無邪気に微笑んだ。

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