クリスタルクラッシュ9―?
「何を言っている。お前でもできるだろう」
リカルドは首を傾げた。
「俺はお前のようにはいかん」
エナンは首を横に振って、頭を掻いた。
「…エナン?」
「また何か変化があったら知らせてくれ」
そう言って彼は小さく手を振ると、リカルドに背を向けて立ち去って行った。
―俺はお前ほど優秀じゃない。
エナンはフードをかぶり直しながら、ため息を吐いた。
―学校では常にトップクラスの成績を残し、宰相府に入るとメキメキと頭角を表して次期宰相候補の筆頭となる。
「優秀と言わずして何と言う」
―それなのに俺は。
そんな言葉が彼の頭を掠める。
―良い成績を残しながらも、自身への驕りが祟り宰相府へ入れず、故郷の村で農家をやっている。
「いやあ、最悪だな」
彼は小さく笑った。
この危ない計画に参加した理由。それを彼は今更ながらに気付いた。
―自分を認めなかった国への復讐。
「悪い奴だなあ、俺は」
銀縁眼鏡を懐から取り出し、じっと見つめる。
それは学校に入学する前に、ダリルとリリアから贈られた物だった。
―でも、あいつらを裏切る事はできんな。
エナンはそれを掛けると、フードを目深にかぶりながら駆け出して行った。
リカルドは首を傾げた。
「俺はお前のようにはいかん」
エナンは首を横に振って、頭を掻いた。
「…エナン?」
「また何か変化があったら知らせてくれ」
そう言って彼は小さく手を振ると、リカルドに背を向けて立ち去って行った。
―俺はお前ほど優秀じゃない。
エナンはフードをかぶり直しながら、ため息を吐いた。
―学校では常にトップクラスの成績を残し、宰相府に入るとメキメキと頭角を表して次期宰相候補の筆頭となる。
「優秀と言わずして何と言う」
―それなのに俺は。
そんな言葉が彼の頭を掠める。
―良い成績を残しながらも、自身への驕りが祟り宰相府へ入れず、故郷の村で農家をやっている。
「いやあ、最悪だな」
彼は小さく笑った。
この危ない計画に参加した理由。それを彼は今更ながらに気付いた。
―自分を認めなかった国への復讐。
「悪い奴だなあ、俺は」
銀縁眼鏡を懐から取り出し、じっと見つめる。
それは学校に入学する前に、ダリルとリリアから贈られた物だった。
―でも、あいつらを裏切る事はできんな。
エナンはそれを掛けると、フードを目深にかぶりながら駆け出して行った。
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