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Kiss me!*1

[601]  玲唯  2010-10-15投稿


 放課後の図書室は人が多くて騒がしい。


 勉強をしている私にとっては最悪な環境。


 私語、飲食厳禁って張り紙がされてるのに誰一人守っていないし。


 私の他に勉強をしてる人も、そう思ってるだろーなあ。


 勉強してる人の身にもなってほしいなんて思うけど、そんなこと言えない。


 勉強する場所を変えたいけど、どの教室も人がたくさんいてうるさそう。


 ああ、勉強が手につかない。


 帰ろうかな。何て考えていると、2つ隣の席に座ってる女子たちの会話が聞こえてきた。


「えー! 付き合ったその日に?!」

「早くない?」

「私何か、付き合って1ヶ月の時にだよ?」

「それは遅すぎー」


 途中から聞いたから、何の話か分からないけど耳を傾ける事にした。


 視線は教科書に向けて、勉強してる素振りを見せて。


「でもチュッて一瞬だったから、ちょっとガッカリ」

「最初はそんなもんじゃないの?」

「そーそー。これからだよ」


 何となくだけど、話の内容が分かった。


 キスの話?


 テレビとか映画とかで見たことあるけど、実際キスするってどんな感じなんだろう。


 今までそんなシーンを何回も見てきたのに、今さら考えるのはどうかと思う。


 想像しようとしたけど、やめた。


「あと10分で、完全下校時間です。校舎内に残っている生徒は、下校するようにしてください」


 校内放送が流れると、図書室にいる人たちは続々と下校を始めた。


 そして誰もいなくなって図書室は静かになる。


 今なら勉強はかどるのに。って心の中でぼやいて、私は戸の方に向かおうとした時だった。


 机に突っ伏して寝ている男子を発見した。


 あんなにうるさかったのによく寝れるなあ。


 このまま放置したら起きないままだろうし、とりあえず声くらいかけておこう。


 そう思って、私はその人の方に向かった。


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