携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 恋愛 >> Kiss me!*2

Kiss me!*2

[466]  玲唯  2010-10-18投稿


02.


「下校時間過ぎちゃうよ?」


 その人の肩を軽くつつきながら言ってみた。


 でも起きる気配がない。


 下校時間まで残り5分。


 あと1回声かけて起きなかったら見捨てよう。


 見回りの先生来るだろうから、その先生に任せればいいや。


「ねえ、起きて!」


 さっきより声を大きくして、肩を強く叩いてみた。


 これなら絶対起きるでしょ!


「うー……ん」


 その人は目を擦りながら、ゆっくりと起き上がった。


 とりあえずこれで一安心。


「下校時間だって」


 私がそう言うと、まだ眠そうな目で私を見てきた。


 思わずドキッと心臓が鳴る。


「コマツ……ユキ?」

「え、そうだけど?」


 小松友紀。それが私の名前。


 何で、この人が私の名前知ってるの?


 でも人の名前を知る機会なんていくらでもある。


 とにかく、私の役目は終わった。


 私も早く帰らなきゃ。


「あの。早く帰った方がいいよ?」


 そう言って、私は戸の方に体を向けた。


 1歩踏み出した時、私は制服の袖をつかまれて振り向いた。


 制服の袖をつかんでいるその人は、上目遣いで私を見つめている。


 そしてゆっくり立ち上がった。


 身長は私より頭1つ分大きくて、今度は私が上を見上げるようになった。


 その人は私の制服の袖をつかんで、何も喋らないで私を見つめている。


「え、えっと……。放してくれない?」


 そう言ってみたけど、話してくれる気配がない。


 これは強引に放すしかない。


 そう思って、私は制服の袖をつかんでる腕に手をかけた。その時だった。


 私の唇に、その人の唇が触れる。


 私は目をみはったまま動けなくて、一瞬何が起きてるのか分からなかった。


 それがキスだと分かった時、私はその人を突き飛ばすようにして離したあと、その人の頬にビンタを食らわした。


 反射的に手が出て、はっとした私はどうしていいか分からず走って図書室から出た。


感想

感想はありません。

「 玲唯 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス