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私とクリスマスツリー

[672]  いっと  2010-11-14投稿
「あーあ、今年もクリスマスは一人かあ。つまんないから喋るミニクリスマスツリーなんて買ってきちゃったけど、虚しいだけだよねぇ」
『クリスマスなんていいもんじゃねぇぞ』
「え…うん、そう、かなあ…」
『寒い中色ばっか派手で電気代を使いまくる電飾なんてものを巻かれるし、おまけに星のまがい物を頭頂部につけられるし、いい事なんて何にもねぇよ』
「…う、うん…」
『バカップル共がそれを眺めて「綺麗ねー」ってよ。こっちは眩しいし頭頂部に異物は置かれるし最悪だよ』
「そ、そうなんだ…」
『まあこっちはこれが仕事だからな。我慢はするけどさ』
「…そうだよね、仕事だもんね」
『お前さん、仕事は何やってんだ?』
「普通の会社員だよ」
『そうか。今は不景気でどこも大変だろ?仕事があるだけありがたいと思わなきゃな』
「うん…」
『彼氏のいないクリスマスを送っている事を嘆く気持ちも分かる。が、お前さんにはキチンとした仕事がある。それだけで立派な事だぞ』
「そ、そうかな…」
『そうだ。自信を持て。頑張って生きてりゃいつか必ず報われる時が来る。お前さんは大丈夫だよ』
「う…うん、ありがとう」

「喋るクリスマスツリー」
これは寂しいクリスマスを送る男女を励ましてくれる素晴らしい商品である。が、クリスマスが終わった後、
「私、クリスマスはツリーとしか話してない…」
という絶望感に襲われるのもこの商品の特徴である。

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