(終)GO AWAY#105
そして現在……
雪野と京都はマスコミに英雄として報道されたことによって人殺しのレッテルははがされた。
しかし、ごく稀に人殺しと呼ばれてしまう事がある。
ネットでは未だに雪野と京都の事を嘘つきと言って罵る奴もいる。
学校でも最初は言われていたが、二人はどんなに罵声を言われようとも心が折れなかった。
事件を起こした犯人は二人とも死んでしまったが、まだ事件は尾ひれを残して今もまだ二人に襲いかかっている。
「ねぇ、京都君………」
雪野は窓の外を眺めながら京都に話しかけた。
「なに?雪野さん?」
京都が雪野の横顔を見て聞くと
「本当に後悔していないの?私のせいで京都君までレッテルを貼られて今もまだ犯罪者として見られていること………を……」
雪野は京都の顔を見て聞いてきたが、想像以上のレッテルの脅威と後ろめたさからか、すぐにうつむいてしまった。
今回の事件は本当に色々な形として二人に襲いかかった。
両親の裏切り
実兄の敵
育ての親の敵
犯罪者のレッテル
人間の信頼
殺意の恐怖
今もまだレッテルのことで……事件の事になると涙が止まらない雪野に京都はポンと優しく手を雪野の頭の上に置いた。
「レッテルの脅威は予想をはるかに超えていたけど、僕は一切後悔していないよ。だって、僕らはレッテルの脅威に打ち勝って事件を解決したんだ!それは今までも……これからも誇りに思っていいんだよ!」
京都が力強く言うと雪野は、流れかけた涙を拭いて
「うん」
そうはっきりと答えた時、確かな春の爽やかな風が二人に流れた。
〜END〜
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