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聖なる夜に

[642]  上坂 葵  2010-12-06投稿
「寒い…。」
今年のクリスマスイブは、珍しく彼の方からデートに誘ってくれた。
でも早く着きすぎてしまい、こうして寒い中待つ羽目になった。
しかし彼のことだから約束の時間の15分前、だいたい今頃来るはず。
「早く来ないかなあ。」
同い年の彼とは小学校からの付き合いで、当時はよく遊んだ仲。身長は私より小さく、弟のようにかわいかったっけ。
中学校が別になって、それっきり会わなかったけど、高校で再会したときなんか、身長が驚くほど伸びていてびっくりした。
彼は野球部に入っていて、練習づくめの毎日で大変そうだった。
教室ではいつも眠そうにしている彼に悪いと思い、私はあまり話し掛けないようにした。
部活ではレギュラーではないらしいが、彼の活躍が見たくて、うちのグランドでやる練習試合に何回か行ったことがある。
たまたま代打で出たところを見たけど、結果は三振だった。
けれども、三回共おもいっきりバットを振って立ち向かって行った彼が、私にはとてもカッコ良く見えた。
そんな部活も終わって、夏休みに入る前のこと。
いきなり彼から告白された。
少し驚いたけれども、二つ返事でOK。
それからは彼との楽しい毎日だった。
彼はあまり自分からは誘わなかったので、私がほとんど計画を立てて、彼を連れ回した。
もしかしたらそんな私を、彼は少し迷惑に思っていたかもしれない。
でも…。私は本当に楽しかった。
これまではあまり一緒に居られなかったから感じなかったけれど、私は彼といっしょにいると本当に楽しい。
彼の真面目なところ、奥手なところ、たまに見せる可愛いところ、そして何よりも私を大切にしてくれるところ。ぜんぜん昔と変わってない。
そんな彼を私はこれからも一生支えていきたい。

「あれ、今日は早いね。」
ちょうど15分前。
「ううん。私も今来たとこ。」
「そうだ!さっそくプレゼントがあるんだ。ちょっと待ってて。」
せわしなくバックを荒らす彼。
「うん…。」
これからもずっといっしょに…。

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