携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 恋愛 >> もう一つの聖なる夜に

もう一つの聖なる夜に

[681]  上坂 葵  2010-12-06投稿
「今日は寒いな。」
彼女との待ち合わせ時間まであと25分。いやあと10分。クリスマスイブに誘ったはいいが、プレゼントを用意するのに時間がかかった。
「今日こそ言わないと。」
俺は今日大好きな彼女にプロポーズする。

付き合いだしてから5年になる彼女とは、小学校からの腐れ縁で、同い年なのによく子分みたく扱われた。内気な俺はそんな彼女にちょっとばかし憧れていた。
だが中学校が別になったこともあり、もう会えないものと思っていたが、高校でたまたま同じクラスになってびっくりした。
久しぶりに見た彼女は、昔とは違い物静かで可愛いらしく感じた。
なぜかわからないが、俺にあまり話しかけてこず、少し寂しかった。
でもそんな彼女がうちの野球部の練習試合を見に来たときがあった。
なぜ来たのかは知らないけど、変に緊張してせっかくの代打も三振で終わってしまった…。
もしかしたら好きな奴がいるのかと思い、部活を引退してから急いで告白したら、なんと一発OKで驚いた。
物静かな感じが、付き合い始めたときから昔に戻ったみたいに強引だった。
もしかしたら、何にでも内気な俺を情けなく思ったかもしれない…。
でも、俺は彼女といれてすごく幸せだった。
小学校の頃からずっと片思いだった人。
あの頃と変わらず、強引で、思いやりがあって、笑顔が可愛く、でもたまに弱いところを見せる彼女。
そんな彼女だからこそ、これからもずっと支えていく。
ちょっと頼りないかもしれないが…。

待ち合わせ場所で先に着ていた彼女が、俺に手を振る。
「あれ、今日は早いね。」
「ううん。私も今来たとこ。」
「そうだ!さっそくプレゼントがあるんだ。ちょっと待ってて。」
そういって、バックの中をあさりながら指輪を探す。
これからもずっといっしょにいよう。

感想

感想はありません。

「 上坂 葵 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス