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一年後の約束

[522]  寒椿  2010-12-19投稿

二十歳
高校生の頃の青春真っ只中のはしゃぎ過ぎた時を経ていくつかの恋愛を重ねて
ようやく少し落ち着いた私

現在の恋人は六歳上
もうスッカリ大人
大人になりきれない私は
デートで恋人に会う度
すごく背伸びをしていた


恋人の事が好きだけど
背伸びしていた分だけ
会った後はものすごく
疲れ果てていた


恋人の仕事仲間の集まりに連れられてそこで私は
二十二歳の彼と出逢う

二十二歳にしては
恋人と同じくらいに
大人な彼
精一杯大人な対応をする
私の言動にいちいち嫌味な表情を浮かべる


バカにされてる


苦手意識の中で
恋人に連れられ私は彼と
その後何度も会っていた

クリスマスを1ヶ月後に
迎えるその日も
恋人に連れられて
あるパーティーに出向いた

そこには彼も来ていた
かなりお酒がすすんでいたのか私が会場に入るなり
「また来たんですか」
とフテキに笑う


嫌な奴


恋人は来ている知人達と 談笑中
私はシャンパンの入ったグラスを持って壁際のソファーに座り込んでいた


疲れたな…


「疲れてますね」
声のした方を向くと彼が
笑って立っている
素知らぬふり…


「今年のクリスマスはすでに予定があって…一緒には過ごせないんだけど…来年のクリスマスは一緒に過ごす約束をしてもいいですか」


え…??


「疲れているんでしょ…
僕ならそんな顔は絶対にさせません」


え…???


「来年のクリスマス楽しみにしてますよ」


彼は今までにない
優しい笑顔を見せると
その場を立ち去った


いったい何のつもり?
からかわれてる?


連絡先も知らない彼
どうして連絡をとると
言うんだろう…
そんな事より私には
恋人がいる


二週間後
私は恋人とのツラい恋に
別れを告げた


1人で迎えたクリスマス


だけど悲しくも寂しくも
なかった


彼の言った来年のクリスマスの約束があるから


きっと二度と会う事もないとわかってはいるけれど

彼の言ってくれた
一年後の約束は
私を癒し励ましてくれた

一年後の約束を
ありがとう


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