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とくになし

[870]  田辺  2010-12-24投稿
現在2108年5月9日。今日は何かの記念日らしく休みである。そのため街の大通りはにぎわっていた。その大通りを歩く1人の少年。
和色 魁 15歳。
制服姿でぐったりとしていた。休みだというのに学校で補習を受けていた。
「はぁ」
魁は小さくため息をついた。帰り道の途中で陸上部が走っているのを思いだしたのである。元々足が速かったのだがある日段違いの記録が出てしまった。それは中学1年生の春。最初の体育の授業で測った50メートル走。記録、4秒0。
試しに100メートルも測ってみた。…9秒5。日本記録更新だ。こんなのあり得ない。こないだまでランドセルを背負っていたがきんちょにできるわけがない。何だか陸上部にかえってはいりずらくなってしまった。
それなら記録の関係のない部活にしよう。そういってバスケ部に仮入部した。
しかし話しにならなかった。そうだよ、俺団体競技が苦手だったんだ。

ということで俺は部活に青春をかけることは無かった。恐らくこれからも。

いいよどうだって。しょせんそんなもんだよ。もう諦めた。ブツブツ呟いてると…
何かが走ってくる。よおく見てみるとそれは引ったくりのようだ。
魁のテンションが上がる。部活で走れないぶんを引ったくりとの鬼ごっこで解消するのである。
引ったくりが魁をとうりすぎて行く。カバンを盗られたおばちゃんが必死に追いかける。しかし追い付かない。今回の引ったくりは結構速いらしい。

…いいだろう。ハンデをやろう。そして魁と引ったくりとの距離がかなり開く。魁が走り出す。もう誰にも止められない。
楽しい。やっぱり走るのは楽しい。自然とにやける。
が、そんな至福はあっという間だった。勝負あり。わずか2分。
引ったくりの背中がすぐ近くにある。手を伸ばした。
捕ま…………

俺は知らないうちに倒れ込んでいた。凄まじい轟音と熱気が広がった。
引ったくりは黒焦げだった。
魁は何が何だかわからなかった。ただ…

引ったくりが引ったくったカバンを持った女の子がいた。

今のは雷?
魁は思った。その女の子を中心に被害は広がっていた。

この日から俺の生活が変わった。

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