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夢跡†(7)

[428]  つる  2010-12-28投稿

…そうだ。あれはジョークだと彼女に伝えねば。

「…あれは冗談だし、謝らなくてもいいよ」

すると、何か言いたそうな顔をする。

(あ、そっか)

「さっき言いそびれた…というか、言えなかったんだが、俺は自殺志願者じゃないぞ」

「えっ?じゃあ…ええっと…?」

「俺は自殺しようとしていたんじゃない」

「…ホントに?」

「ホントに」


少女はその途端、ふにゃっとその場に崩れた。

「はあっ…、良かった…。良かった…」

(…!なんだよ…、人が勝手に死ぬくらいでここまで感情移入しやがって…。
しかも知り合いでもないらしいのに…)


視線を少女に戻すと、既に半泣きしている。


立ち去ろうにも、この状態の彼女を放って行くのは、いささか冷たすぎるか。


どのタイミングで帰ろうかなどと考えていると、
ふとあの男子生徒の事が思考を過った。


伝えておくべきだろう。そもそも、彼女が用があったのは、アイツなのだから。

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