携帯小説!(スマートフォン版)

alia

[872]  となりのトトりん  2011-01-05投稿
三角フラスコの中で
消化液と混ざり合う私は
狭い硝子の世界で
乱れた時間軸だけを頼りに
歩くしかなかったのです

小さな出口に憧れて
上を見つめれば
うなだれて

ため息ひとつに
悲しみひとつ
重ねて
重ねて
屠り去られるのです

次の命に憧れて
来世に咲く花のよに
慎ましくありたくて

今はただ過ぎ去る時に
熔かさるる

三角フラスコの中で
消化液と混ざり合う私は
旋律を奏で
悲しみを唄い
抒情を喰っては
狂い咲くのです

いつか消えてなくなる
この命に
今は昇華を願い

手も足も
脳も目も

泥土のように
熔け朽ち果てるまで

三角フラスコの消化液の中で
小さな斜光に憧れながら
熔けるのです

この細く拙い
乱れた時間軸は
まるで揺り篭のよに

ゆらりゆらり
私を揺らすのです

静かに
静かに
三角フラスコの中で
私を揺らすのです

感想

感想はありません。

「 となりのトトりん 」の携帯小説

詩・短歌・俳句の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス