携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 恋愛 >> Kiss me!*15

Kiss me!*15

[408] 玲唯 2011-01-24投稿


「いつの間にそんな発展してたの?!」

「ち、違うってば!」


 そう言いながら、私はケイタの手を振り払った。


「て、手なんて繋いだことないし! ば、ばーか!」


 私はケイタを睨みつけて、走ってその場から立ち去った。


 *


 何でだろう。


 ちょっとの間握られただけなのに、まだケイタの手の感触が残ってる。


 私は屋上の戸に背中を預けて、ケイタに握られた手を見た。


 嫌いな奴なはずなのに、ムカつく奴なはずなのに、何でこんなにドキドキしてるの?


 可愛いって言われたとき、ネックレスくれたとき、どうして嬉しくなったの?


 これって、ケイタのこと好きだから?


「違う違う」


 そんなわけないよ。うん。


「何であんな奴のこと……」


 あー!
 もう考えるの止めよう。


 やっぱり外そーかな、これ。


 ネックレスを外そうと両手を後ろにのばした時、背にしていた屋上の戸が開いて、私は驚いてその場から離れた。


「あ、ここにいたんだ」


 現れたのはケイタだった。


 私は慌ててネックレスを襟の影に隠す。


「今、何隠したの?」

「な、何でもないよ!」


 うわっ……見られてた。


「もしかして、俺があげたネックレス?」


 これは、正直に言った方がいいのかな……。


「そ、そーだけど?」

「つけてくれたんだ! 嬉しいなあ。見せて見せて」


 ケイタがそう言いながら近づいてきて、私はネックレスを手のひらに乗せて見せた。


「やっぱ似合うね」


 私の心臓が小さく跳ねた。


 赤くなってる顔を見られたくなくて、私は下を向いてネックレスを襟の影に戻した。


「あ、予鈴だ」


 予鈴を聞いて、ケイタは屋上の戸に手をかけて戸を開けた。


「ユキ、行こ!」

「あ、うん」


 ケイタに促されて、私は屋上から出て教室に向かった。


 何でこんなにドキドキしてるんだろ……。


 これはやっぱり、ケイタのことが好きだから?


感想

感想はありません。

「玲唯」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス