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劇団ドリームシアター(6)

[417] YOSI 2011-02-11投稿
「木村さん…ごめん、守口さん頼みがあるんだけど」
「まだ、木村でもいいですよ〜。新婚とはいえ、まだ経済的余裕ないですから。しばらく、子づくりの予定もないですから。それに,まだ市役所に届けてないんですよ」
「えっ?なんで?」
「2人とも忙しくて、まだ安定してないんですよ。経済的には。2、3ヵ月先ですよ」
「へえ〜…」
「で、仕事ってなんですか?」
「あっそうそう、俺たまってる報告書を、まとめなきゃいけないから、チョコレートとスナックの売り場作っておいてほしいんだけど」
「あっ、はい」
守口敏美は、義則の勤めるスーパーのパートである。
10以上離れている男性と、最近結婚したばかりである。
前に正社員として働いていた、会社で知り合ったのだが、業務縮小のため、仕方なく退職していた。
「南川さんは、まだ結婚しないんですか?まだ独身でしたよね?」
「そうだよ。まだ、経済的余裕ないし、何より相手がね。まあ、しょうがないよね。俺はなかなか積極的にいけないからなあ〜。」
「それじゃあ、駄目じゃないですか。もっと積極的に行きましょ。クラブとか行ってないで」
「えっ?なんでそれを?」
「さっき、南川さんが、鈴木さんと話してるのが、耳に入ってたからです」
「うわ〜。まあ、以後慎みます(笑)」
「そうですよ〜。とはいっても、うちの人も、その手のお店で、週3回働いてるんですけどね(笑)」
「へぇ〜。やっぱり経済的な理由で?」
「それも、あるけど、昔バイトしてた縁で」
「へぇ〜。で、なんて名前?」
「○○の『スーパーガール』です。ってまさか行く気ですか〜?」
「いや、まさか」
しかし、義則は驚いた。
まさしく、その『スーパーガール』は、この前行った、店の名前だからである。
そして、その時対応していたマネージャーが、守口敏美の結婚相手の、守口考太であった。
(まいったなあ〜。世間は狭いや。また行く約束しちまったしなあ)
しかし義則は、この守口考太と、仲間となっていくことを、この時は知る由もなかった。

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