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夢跡†(13)

[436] つる 2011-02-18投稿

神田の手を叩いたのは、お金を落とした男子生徒だった。


神田が固まっている間に一人で小銭を拾うと教室を出ていった。


しばらくして、神田はポツリと言った。

「…浦田。俺なんかやらかしたか?」


「今の神田の行動に非はなかったと僕は思うよ。以前に恨まれるような事やったなら別だけど。」


淡々と答える浦田。空気を読めないコイツに今は救われてるな。


「それはない…と思う。そもそもアイツと話したことすら無いしな」


ふーん。と教室の入り口を見つめつつ、


「今のは秋葉くんだよね。ま、機嫌が悪かっただけかも知れないしさ」


気にすんなよと軽く肩を叩いてきた。


「そうだな」


返事を返しつつ、教室の入り口を見る。


ユニホームに着替えた野球部員が急かし合いながら、廊下に出ていった。

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